これから5回にわたって、「Web Equity 2010」調査結果の分析の一端を紹介したい。
本調査は12の業界における236の企業Webサイトについて、接触効果、好感効果、販売効果、ロイヤルティ効果の4つの視点から企業Webサイトの事業貢献度を明らかにするために行った。
調査は原則として2010年3月末までの1年間の消費者行動の調査に基づいている。サンプル数(有効回答者ベース)は18,600人である。調査方法はインターネットを利用したアンケート調査および財務分析による。
情報価値の算出方法は以下の通りである。
情報価値 = 閲覧価値 + 行動価値
ここで、
閲覧価値 = 推定PV × ページ単価
行動価値 = 各行動の推定人数 × 各行動単価
(行動タイプ:会員登録,ソフトやドライバーのダウンロード,資料請求,メールマガジンの閲読,取引/契約内容の確認,見積り依頼,キャンペーンやアンケートに応募,商品やサービスに関する問い合わせ,住所変更などの各種手続きや申込み,商品取扱説明書やパンフレットのダウンロード)
閲覧価値の元になるページ閲覧もサイト上の行動の一種といえなくもないが、会員登録などの行動は単なるページ閲覧以上に価値が高いと考えられるため、ページ閲覧とは区別して把握し、単価も相応のものを設定している。
情報価値の1サイトあたり平均は31億円だったが、2008年には34億円、2009年は40億円と過去3年間は一貫して上昇してきた。しかし、2010年は41億円と、2009年からあまり伸びていない(図1)。
行動価値と閲覧価値との間には関連性がある。行動価値につながる行動が多いほど、アクセス頻度が高まり(図2)、それが閲覧価値を押し上げる一つの重要な要因となる。このように、サイト上で様々な行動を行ってもらうことは、行動価値だけでなく閲覧価値を含めた情報価値を高める上で重要な意義を持っているのである。
参考
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