Web担当者が単独でできることは限られている。
たとえば、自社に関する検索ボリュームを増やしたいと考えたとする。しかし、検索ボリュームを左右する主な要因はマスメディアの広告や報道、あるいは知名度によると考えられ、これらの影響の方がWeb施策として考えられる方法よりはるかに大きいことが多い。
Webサイトが関与することで成果を発揮しやすい分野は少なくない。
たとえば、キャンペーン応募など獲得型の施策を行う場合は受け皿としてWebサイトがなければ大きく効果が減殺されてしまう。キャンペーン企画段階から効果を最大化できるよう、他部署の担当者をサポートすれば、トータルでの効果が大幅に向上することが期待できる。
あるいは、サポートの分野では、最も企業にとって費用負担が重いコールセンターにしかサポート部門の視点が及ばないケースがしばしば見受けられる。しかし、Webサイトによる問題解決率を向上させれば結果的に電話する人が減り、大いに費用削減に貢献する。しかし、Webサイトの運営はサポート部門では従たる仕事であることが多く、Webサイトについて専門性が高い部署が適切にサポートすることが重要である。
Webサイトの役割を何らかの会社機能の代替として捉える見方は必ずしも妥当でないことが多い。Webサイトはマス広告を代替するものでもなければ、販売店を代替するものでもなく、むしろ両者の間を橋渡しし、全体の動きが円滑になるような役割を果たしている。
その成果は単独では測りづらいが、協力し合う部署同士がお互いに頼りになる存在になることが、Web担当部署の仕事の質を高める上できわめて重要であると考えられる。