ウェブサイトの評価指標としてPV(ページビュー)を始めとするアクセス関連の指標を用る会社は多い。PVは一定期間の間にどれだけのページがユーザーに閲覧されたかを示すもので、基本的にフローの概念であると考えられる。
これに対し、ユーザーからのアクセスをフローだけではなくストック(資産)の概念で捉えることが、これからのウェブサイト評価においてますます重要ではないかと考えられる。
ユーザーという資産(ストック)の状態変化を把握するためには、期首と期末でのストックの状態を把握することが基本となる(図1)。
たとえば、ある企業では、前期末のアクセス率は29%であった。離脱・減少したユーザーは7%あったが13%の新規獲得があり、6%の純増となって当期末には35%となった(図2)。
次に、獲得した資産が優良資産かどうかの評価も重要である。
評価の視点としてたとえば次のようなことが挙げられよう。
- 当企業とユーザーとの接点:当企業サイト(自社メディア)/外部サイト(ソーシャルメディア)/マスメディア/イベント/コールセンター 等
- アクセス頻度:新規かリピーターか
- ステークホルダー属性
- アクセスの目的や多様性
- ロイヤルティの水準
- 企業好感度
- 購入意向
これらの視点に基く分析は視点別に個々に行うことができるが、それぞれの評価尺度が異なると統一的な評価が困難となる。
Web Equityでは、会員登録、ウェブサイト上に用意したツールや機能の利用、キャンペーンへの応答など、企業側からの働きかけに対するユーザーの反応を行動価値として評価している。
行動価値を通じ、ユーザーの質によってWebサイトの価値が変わる状態を統一的な指標で把握できる。図6の例では閲覧価値ではC社がB社を上回るが、行動価値はB社が上回り、トータルの情報価値でB社の価値が高い状況が示されている。このように、Webサイトの評価ではユーザーストックの「質」も加味することが重要である。
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