これから6回にわたって、「Web Equity 2008」調査結果の分析の一部をご紹介する。
本調査は12の業界における企業Webサイト260について、接触効果、好感効果、販売効果、ロイヤルティ効果の4つの視点から企業Webサイトを評価し、サイト別に事業貢献度を明らかにしようとするものである。
本調査は原則として2008年3月末までの1年間の消費者行動の調査に基づいている。サンプル数(有効回答者ベース)は2万人近くに達する。
調査方法はインターネットを利用したアンケート調査および財務分析による。
アンケート調査の対象者は18歳〜69歳までの一般消費者で男女同数、20代以下から50代以上まで10歳きざみで各年代同数(ただし20代以下には10代を含み、50代以上は69歳までを含む)である。
本調査の目玉はWebサイトの事業貢献度を「Webサイト価値」という指標で評価する部分であるが、そのために消費者が企業Webサイトにアクセスしてから購入するまで、および購入後の行動を追跡調査している。
Webサイト価値は情報価値と売上価値からなる。
情報価値はさらに閲覧価値と行動価値に分かれる。閲覧価値はユーザーのアクセス動向に基づく評価、行動価値はサイト上でのユーザー行動に基づく評価である。
【図1】閲覧価値
1サイトあたり平均の閲覧価値が高いのは自動車および運輸・レジャーの各業界である。閲覧価値は2007年調査から2008年調査にかけて多くの業界でやや増加しているが、増加幅はあまり大きなものではない(図1)。
その背景には、各業界でのアクセス者数が伸び悩んでいることがある。
閲覧価値上位の業界のうち、運輸・レジャー業界の1サイトあたりアクセス者数は2007年調査から2008年調査にかけてやや伸びているが、自動車業界ではやや減少している。新車の販売動向によって大きく左右されるということはあるとはいえ、どのサイトも一律にアクセスを増やすことは難しくなっている。
【図2】アクセスした人の理由
アクセス理由は「定期的に情報を得るため」が最も大きな割合を占める(図2)ことに鑑みると、ユーザーの固定化に成功したサイトとそうでないものとの差がこれからますます広がっていくのではないかと考えられる。
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