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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Web Equity調査結果分析2004

WebEquity2004結果分析 第6回:マイクロソフト(第2位)

第2位 マイクロソフト

トップページ

【図1】トップページ

Webサイト価値ランキングの第2位はマイクロソフトで935億円と算出された。その内訳は直接売上価値が253億円、間接売上価値が313億円、広報宣伝価値が131億円、販売促進価値が98億円、そして顧客満足価値が138億円である。

同社のWebサイト上ではウィンドウズやオフィスなどのソフトを直接販売しているわけではない。しかし、同社のページで商品情報を見ていると、トップナビに「オンラインショッピング」というボタンが現れ、これをクリックするとインプレスダイレクトや、ビックカメラなどの販売店(リセラー)のバナーが張られたページが表示され、ここから各社のサイトに飛んで直接画面上で申し込めるようになっている。

他にもキャッシュバックキャンペーンの申し込みや、評価版のダウンロードなど実際の購入につながるようなコンテンツや、あるいは同社の製品に関するトレーニングや資格などを申し込めるサイトもある(これらも実際の申し込みは関連会社やパートナー企業のサイトになっている)。

このように同社のページから、画面上で実際の購入ができるようにナビゲーションされているため、実際にマイクロソフトの製品を過去1年間に購入した人のうち、9.6%が「マイクロソフトのサイトで購入した」と答えている(郵送調査およびインターネット調査の両方の結果をもとに算出)。これが同社の直接価値となって算出されている。

なお、Webサイト価値では日本国内におけるWebサイトの価値を測定している。そのため価値算出に当たっては日本国内での売上高および粗利益率が必要となってくるが、同社はこれらを発表していない。そこで、今回実施した消費者調査の結果を元に、同社の売上高を推測した。また、粗利益率はITソフト産業で上場している企業の平均値を用いた。

同社以外にも非上場の企業や、外資系企業で日本国内での財務データを公表していない場合には同様の方法にて推測した売上高および粗利益率を用いてWebサイト価値を算出している。

さて、同社のサイト価値で最も特徴的なのは情報価値が高いことだろう。広報宣伝価値+販売促進価値+顧客満足価値を合計した情報価値は368億円で、249社中でトップだった。特に顧客満足価値の92億円は2位以下を大きく離してダントツとなっている。

インターネット視聴率調査(ビデオリサーチインタラクティブの調査結果を採用)による推定アクセス数(PV=ページビュー)も他社より断然多いが、「FAQやQ&Aのページを見ている」(22.7%)や「ドライバーをダウンロードしている」(22.3%)などの、顧客満足度を高めるための行動をしている人が非常に多いことが、高い顧客満足価値につながっている。

サポートページ

【図2】サポートのページ

その中でも特筆すべきなのはFAQやQ&Aなどのサポート。トップページのサイドナビにある「サポート」をクリックすると「自分で解決方法を調べる」と「お問い合わせ」「マイクロソフトサービス」の3つのメニューが表れる。「お問い合わせ」をクリックすると、製品別に電子メール、電話、コミュニティ、アドバイザリーサービス、プレミアサポートサービスなどのメニューが並んでいる。これらは基本的に有償サービスだが、「コミュニティ(同じ名前がトップページのサイドナビにもあるから注意)」の中にある「答えてねっと」は、パソコン一般に関するトラブルや疑問などを登録すると、他のユーザーが答えてくれるという無償のサポートサービスだ。

コミュニティページ

【図3】コミュニティのページ

また、トップページのサイドナビにある「コミュニティ」の下にある「マイクロソフトブログ」では、同社の社員によってマイクロソフトの製品やテクノロジに関する様々な情報が「日記」のような形で提供されている。1月11日時点で18ものブログが立っており、かなりの高頻度で更新されている。

スパイウェアについての対策や以前の製品の開発についての話など、他では聞くことができない臨場感あふれる話が興味深い。大流行しているブログに取り組み始める企業が増えている中で、マイクロソフトブログはいま最も本格的に取り組まれているひとつであるといえる。こうした積極的な取り組みが、同社の高い「情報価値」となっていることは間違いないだろう。

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