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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Web Equity調査結果分析2004

WebEquity2004結果分析 第2回:直接売上価値ランキング

直接売上価値とは

直接売り上げ価値ランキング

Webサイト価値評価(Web Equity)の目的は、企業のWebサイトが企業にもたらす「利益」を金銭価値で評価するもの。Webサイトの価値は売上拡大への効果である「売上価値」と、企業活動の中で情報発信への効果を意味する「情報価値」の2つから測定した。いわば企業活動の「売上」と「経費」の両方の面からの測定ということが出来る。今回はその2つの価値の中から「売上価値」の結果について紹介する。

「売上価値」とは、自社が運営するWebサイトがその企業の売り上げ拡大にどれだけ貢献しているかを「利益」という尺度で金額換算したものである。ただし、利益には粗利益、営業利益、経常利益など様々なものがあるが、為替レートや、金利などのWebサイトとは直接関係していない“外的要因”を可能な限り排他するために、ここでは「粗利益」を用いることにした。売上高から製造原価を引いた粗利益は、もっとも「売上」に近い「利益」であるあるということができるからだ。

さてWebサイトによる「売上」は、その企業のWebサイト上で購入(取引)されることによる「直接売上価値」と、それ以外の「間接売上価値」とに分けることができる。また、間接売上価値はその売上がインターネット上(ただしその企業のWebサイトでの購入分を除く)で行われた「間接売上価値(ネット)」と、店舗や営業などリアル市場での購入による「間接売上価値(リアル)」とに分けて算出した。

直接売上価値の算出方法

直接売上価値は、企業のWebサイトでの売り上げに相当する粗利益だが、多くの企業はその金額を公表していない。そこで、Web Equityでは国内売上高のうち、どれくらいがその企業のWebサイトで売り上げられたかを消費者調査(郵送法およびインターネット法)にて測定した結果から算出した。

ただし、その企業のWebサイトで購入された場合であっても、店舗や雑誌など他のメディアなどで情報収集をしたうえで、インターネットで単に申込みだけを行った場合も想定される。そこで、その企業のWebサイトが購入に際して必要となった情報の中で、どれだけの情報がWebサイトから入手したかを表す「自社サイト関与率」を加味した。

つまり、直接売上価値の算出式は以下のようになる。

直接売上価値 = 粗利益 × 自社サイトでの購入率 × 自社サイト関与率

ここで粗利益は財務諸表(有価証券報告書など)に記載された国内売上高に粗利益率を掛けたものを用いた。ただし、財務諸表を公開していない企業や、Webサイトに関係の浅い事業による売上が多く含まれているケースも少なくない。そこで、財務諸表以外にも消費者の購買行動に関する調査から「消費者から見た売上高」を算出することにした。

消費者から見た売上高 = その企業の商品を購入した経験のある比率 × 購入した単価 × 調査対象人口

ここで算出した「消費者から見た売上高」と財務諸表による売上高のうち、どちらか小さい方を採用した。

直接売上価値ランキング

最も「直接売上価値」が大きかったのは全日本空輸で595億円と算出された。航空チケットのインターネットによる予約・販売を本格的に展開していることが、大きな価値に結びついている。3位の日本航空システム(現在の社名は「日本航空」)も同様の理由で437億円。すでに個人向けチケットの半数近くがインターネットで予約・購入されており、販売ルートとして最大のチャネルとなっている。

チケット販売におけるインターネットの比率の伸びはさすがにやや鈍化しつつあるようだが、それでも取扱量はまだ当面は伸び続けることが予想されるだけに、両社の直接売上価値が今後も増加するのは間違いないだろう。

2位はデルで536億円。デル・ダイレクト・モデルと呼ばれるオンラインでの直販システムが大きく貢献している。一方、国内メーカーによるパソコンの販売による価値が最も大きかったのは「NECダイレクト」を展開しているNECで、同社の直接売上価値は186億円と算出されて10位だった。

4位はネット・バンキング・サービス「新生パワーダイレクト」を展開している新生銀行で384億円。5位は大和証券グループ本社で266億円、7位は野村ホールディングスで240億円、8位はオリックスで235億円と、金融業界の有力企業がベスト10のうち4社を占めた。

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