第2回では購買検討時の情報源における企業サイトの位置付けを、普段の業務上の情報源と対比しながら検討した。
今回はさらに、BtoCと比較することにより、購買検討時の情報源における企業サイトの位置付けを検討したい。
グラフにはBtoB顧客とBtoC顧客のそれぞれについて、購入検討時の参考情報の割合が示されている。(図1)
BtoCでは「テレビ・ラジオ」が21.7%で最も多い。「テレビ・ラジオ」とあるが、ほとんどの場合、テレビであると考えられる。企業サイトは「テレビ・ラジオ」より5ポイントほど低く、2番目に位置する。
(回答者の割合%、複数回答)
注:BtoCの「カタログ・パンフレット」「営業員・技術員の説明」「展示会」「ニュースサイト」「研修・セミナー」は調査対象外(グラフ作図の便宜上、0としています)。
これに対して、BtoBでは第2回ですでに見たように、「当企業サイトのWebサイト」が最もよく利用されている。
じつは、グラフからは省かれているが、BtoCでは「店頭・店員」の比重が最も大きい。
これと対応するものとしてBtoBでは「営業員・販売員」および「展示会」があるが、いずれも企業サイトよりかなり数値が小さい。営業員・販売員の位置付けは、BtoCにおける店頭・店員とは必ずしも同じではないことが示唆される。
BtoCでは店頭における店員の説明がそのまま販売に直結するが、BtoBでは顧客は企業サイトやカタログ等の情報でかなり絞り込んだ上で販売元企業にコンタクトしているからであろう。また、企業側から送り出した営業員は契約獲得を目的としていることが多いと想像されるが、営業員を迎える側の顧客の受け止め方は必ずしもそうとは限らず、結果的に単なる情報収集活動の一つにとどまっているケースも少なくないものと考えられる。
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