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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

BtoBサイト調査結果分析2009

BtoBサイト調査2009結果分析 第3回:アクセスから問い合わせまでの行動推移

サイト上の行動はいくつかの種類に分けることができる(図1)。

【図1】サイト閲覧後の行動 全サイト平均

【図1】サイト閲覧後の行動 全サイト平均

一つはデータの入手にかかわるもので、ダウンロードが典型的である。
二つ目はユーザーの業務プロセスに組み込まれた状態を端的に示す行動であり、ブックマークや会員登録などが該当する。
三番目は問い合わせや資料請求など、購入に直結する行動である。企業ではこの3番目の行動を最も主要な指標として採用するケースが多いようだが、各類型ごとにユーザー行動が意味するところを踏まえてより総合的に分析し、ユーザーに対するサービス改善につなげることが望ましいと考えられる。
また、フォームなどによる問い合わせの件数を把握し、サイト運営者の目標指標とするケースが多い。しかし、グラフが示すように、問い合わせ一つ取っても、実際には、Web上に用意されたもの以外の手段によるものの方がはるかに多いが、なかなかその状況はWeb運営者には伝わりにくい。企業によっては経路別に電話番号を別けることによって把握しようと努力するところもあるが、担当者同士のやり取りまで補足することは容易ではない。
また、ターゲットユーザー全体(100%)のうち問い合わせに至る割合だけを見るとわずか2.2%に過ぎない(図2)。こうした現象は、問い合わせの段階に近づくにつれて行動者が急速に減少するために起こる。多くのBtoBサイトは営業チャネルではない点を踏まえ、問い合わせという一点に絞るのではなく、グラフに示すように、アクセス、ニーズ充足、購入検討、問い合わせという一連のビジネスプロセスに着目して事業貢献度を評価すべきである。

【図2】ターゲット層に占める各行動者の割合

【図2】ターゲット層に占める各行動者の割合

昨年と比べ各段階での行動者は増加しているとはいえないが、これはあくまで全体の平均であって各社サイトの状況については個々に検証される必要がある。
このように、Webサイト営業補完状況を一連の流れの中で総合的に分析・評価し、BtoBサイトのビジネス貢献度全体を高める施策を検討することが重要である。

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