情報洪水社会ともいえる現代、インターネットからだけでも、毎日個人では処理しきれないほど大量の情報が入ってきます。そんな状況に便利なのが、RSS。ブラウザやRSSリーダーと呼ばれている専用ソフトを使い、対応サイトの最新ニュースの見出しや記事リンク、番組情報、新製品情報、ブログの更新情報などを簡単かつ速やかに集めることができる機能です。今回は、RSSの利用状況について、アンケートを実施しました。
RSSの利用者はわずか2割にも満たない
【図1】RSSの利用状況
まずは、実際の利用状況を聞いてみたところ(図1参照)、なんと「現在の利用者」は12%。「以前は利用していたが、現在は利用していない人」は15%。そして、「利用してない人」は73%にもなりました。RSSは情報整理に便利な機能ではあり、話題性もありますが、実際の利用となると、まだまだ少数のようです。
RSS利用者は、仕事よりもプライベート?
【図2】RSSの利用目的
それでは、そんな少数派の利用者に、RSSを利用する目的について聞いてみました(図2参照)。トップは「関心のある情報を見逃さないため」の50%。利用者の多くは、やはり情報収集に積極的な人々なのですね。次いで「わざわざサイトを見に行かなくてすむから」33.3%。たしかに、興味のある分野のひとつひとつのサイトをチェックするのは大変です。このふたつは、RSSの機能を十分活用していると思われますが、「新しい機能が出るとつい使ってみたくなるから」という、興味半分を理由にしている人も25%います。また、「仕事上で定期的に更新情報をチェックする必要があるから」は0%ですから、利用者の特徴は、個人的な情報収集に積極的で、大量の情報を効率よく処理することを求めている人々と言えるようです。
【図3】RSSを利用しない理由
一方、「以前は利用していたが、現在は利用していない人」が、利用しなくなった理由は(図3参照)、「RSSリーダーを見ること自体が面倒だったから」が40%、「情報を必要としなくなったから」が20%。「情報を必要としなくなったから」の、なぜ必要としなくなったかという理由にもよりますが、情報収集に熱心でない人々は使わなくなるようですね。そういう点から見ると、ニッチかもしれませんが、RSSは、その特性を確実に理解している人々に支持されている、と言えるのではないでしょうか。
使わなくなったその他の理由は、「RSSの使い勝手が悪かったから」(33.3%)、「情報の質が良くなかったから」、「登録していたサイトの更新頻度が低かったから」(6.7%)と、使い勝手や、使っているサイトの状況が理由になっています。
RSSは今後、具体的なイメージと、利便性の向上が重要
【図4】RSSにあればよいと思う機能
続いて、「以前は利用していたが、現在は利用していない人」と「利用していない人」に、どのような機能があればRSSを利用しようと思いますか、と尋ねると(図4参照)、「キーワード検索と連動し、オススメの情報をすぐ登録できる」が19.3%、「PCと携帯電話の両方に対応している」(15.9%)など、具体的な理由が上位になりました。一方で、「あてはまるものはない」も55.7%にも及んでいます。
今後は、「RSS」というシステムの名称だけが一人歩きするのではなく、それを使ったら生活がどんなに楽しくなるのかを伝えるとともに、他のシステムとの連動などで利便性が上がり、RSSをあまり意識しないで利用できる環境が整うことが、普及のためには重要なようです。
調査概要
全国のインターネットユーザーから回答を得た
サンプル数 | 100 |
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調査期間 | 2007年7月23日〜7月24日 |
調査項目 | ※「SA」=択一回答、「MA」=複数回答可
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