出店数の争いから、業務提携、ホールディングス化でサービスの争いへと展開を続けるコンビニエンスストア業界。今の世の中、コンビニさえあれば、たいていのことは事足りる、といっても過言ではないでしょう。なんでもランキング、第2回は、どこにもあっていつでも便利なコンビニを取り上げました。

店舗数とランキング結果の関係は？

まずは各社の店舗数からご覧ください（【図1】）。さすが老舗のセブン-イレブン。圧倒的な数を誇っていますね。この店舗数（＝認知度）を反映してか、今回アンケートをとったどの項目でもセブン-イレブンがトップ、次いで店舗数2位、3位の会社がランキングを分け合う結果となりました。

さて弁当ランキング（【図2】）、ここではエーエム・ピーエムがファミリーマートを押しのけ、3位に入っています。エーエム・ピーエムといえば、「あんしん　2重丸」弁当。10年も前から保存料・着色料について独自の基準に基づいた、「安心」弁当を販売し続けています。ちなみに、2位のローソンは、弁当専門店「ごはん亭」をブランドとして確立していますし、自然派コンビニ「ナチュラルローソン」でも食に力を入れていますね。ともに、「食の安全」という、最近のブームをきちんと押えています。

2位と圧倒的な差をつけた堂々1位のセブン-イレブンはどうでしょう。30年前からおにぎりをいち早く販売し、5年前からは、弁当やサンドイッチ、惣菜に対し、保存料・合成着色料無添加をうたっています。コンビニ食という新たなジャンルを切り開き、かつ、常に時代を敏感に察知する姿勢がこうした差を生み出したのかもしれません。また、「品揃え」でも、圧勝していますね（【図3】）。セブン-イレブンは、創業時から知名度や物流の活性化戦略として、徹底した高密度多店舗出店（地域ごとに店舗数を増やしていく方法）を続けています。この、コンビニ界のパイオニアならではの独自の戦略が、長い年月を経て、消費者の信頼へとつながったのではないでしょうか。

次に、「キャンペーン」を見てみましょう（【図4】）。ここの1位と2位に隔たりがありますね。上位3社の今年の夏の状況を見てみると、対象商品を購入して点数を集め、人気キャラクターの景品をもらうというスタイルが主流で、セブン-イレブンは「スヌーピー」、ローソンが「ミッフィー」、ファミリーマートが「アルプスの少女ハイジ」。4位に「その他」というクッションが入り、5位以下は、映画やスポーツ選手とのコラボレーションなどのキャンペーンだったことから考えると、このランキングはキャラクターに頼る部分が大きかったといえます。特に長年愛されてきたキャラクターが大きな効果を生んだようです。

打倒セブン-イレブン！　秘策はあるか

一方、「サービス」と「店舗イメージ」を見てみましょう（【図5】、【図6】）。この２項目では、上位はさほど差がついていません。まずは「サービス」。コンビニのサービスといえば、情報端末がまず挙げられるでしょう。これに関しては、ローソン（2位）の「ロッピー」は、フリー情報誌まで持っており、認知度も高く、頼りになる存在です。ちなみにローソンは郵便ポストを配置したことも記憶に新しいところです。そして、「店舗イメージ」。これは、店内の棚の配置や照明、店内放送、そしてロゴマークのカラーなどで判断されると思います。もっともセンスの良さが問われる項目ですね。

こうした結果から、各社の差が少なかった「サービス」「店舗イメージ」、内容次第で評価が変わり得る「キャンペーン」は、センスやアイデア次第で好感度がアップしそうだ、といえそうです。少なくとも、積み上げられた歴史によって大きく差のついた２項目に比べると、可能性は高そうですね。

コンビニ業界、今後の動きからますます目が離せません。

調査概要

首都圏在住の15歳から59歳のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数	100
調査期間	2006年9月25日〜26日
調査対象	セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、エーエム・ピーエム、サークルＫサンクス、スリーエフ、ミニストップ、デイリーヤマザキ、ポプラ、その他
調査項目（イメージ）	弁当がおいしい、キャンペーンの内容が良い、店舗イメージが良い、欲しいものが揃っている、サービスが豊富

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