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第60回:4月クールドラマの番組ホームページ訪問者(推定接触者)

4月クールのドラマは最終回を向えました。各ドラマの最終回前に当たる6月12日に弊社より今期のドラマの番組ホームページネット視聴率ランキングについてリリースを出しておりましたが、最終回を終えた今、改めてTV視聴率が良かった番組について番組ホームページ訪問者(推定接触者)の動向を見てみたいと思います。

今4月クールで最もTV視聴率の高かったドラマは「ガリレオ」(フジテレビ系)で最終回では19.1%でした。特に女性から不動の人気を得ている福山雅治さん演じる明晰な頭脳をもった天才物理学者湯川 学が超常現象のような不思議な事件の謎を解き明かすこのドラマは2007年10月-12月の第1シーズンの続編でもあり、また豪華なゲストも多数出演するということで放送開始前から話題性も抜群でした。TV視聴率も第4話まで20%を超えています。番組ホームページへの推定接触者も第1週117,000人、第2週128,000人と非常に多くなっています。

その後、TV視聴率は若干当初を下回り6月に入ると20%を切る回が続きましたが最終回では盛り返しました。番組ホームページの推定接触者もほぼ比例するような形でフィニッシュしています。

次いで最終回TV視聴率が高かったのは「ラスト・シンデレラ」(フジテレビ系)です。仕事に没頭しすぎて10年間彼氏がいないという女性、遠山桜を篠原涼子さんが演じました。最終回では三浦春馬さん演じる15歳年下の広斗と同じヘアーサロンで働く同期、藤木直人さん演じる凛太郎との間で心が揺れる桜がどちらを選ぶのか、最後までドキドキさせてくれました。最後の最後には広斗を選んでハッピーエンド。「ちょっとエッチな大人の恋物語」のキャッチフレーズ通り、最後まで明るいドラマでした。

TV視聴率は概ね回を重ねるごとに上昇。初回13.3%から最終回では17.8%となりました。番組ホームページへの推定接触者も同じような動向を示し6月に入ってからはうなぎ上りで10週目には203,000人となりました。出演者のインタビューや視聴者からのメッセージ、変わったところでは視聴者から募集した「おやじ女子川柳」、また部屋やお店の美術セットに関する話題などドラマと視聴者との関係がより近くなる工夫された構成になっていました。

ラスト・シンデレラの次に最終回のTV視聴率が高かったのは「家族ゲーム」です。「東大合格率100%」を自称するエキセントリックな家庭教師、吉本荒野を嵐の櫻井翔さんが演じました。このドラマは1980年代に出版された本間洋平氏の同名小説を原作としていますが、ストーリーや設定は現代風に解釈し直されており、現代社会における家族のあり方や問題を象徴的に描いた作品となっています。多くの問題を抱えながらも互いに見てみぬふり、表面だけ取り繕った機能不全の家族が、家庭教師吉村の容赦ない介入によって崩壊し、崩壊の中で初めて互いに向き合い本当の家族になっていきます。

家族の崩壊後、一家がどのように再生していくのか、気になった方も多いのではないでしょうか。それを反映するかのようにTV番組視聴率は最終回で一気に上昇し16.7%をマークしました。番組ホームページの推定接触者は第2週の117,000人をピークに若干減少していますがその後も緩やかなカーブを描き最終回に向けてまた数値を伸ばしました。

引き続いて、クール前半ではTV視聴率も今ひとつ振るわなかったものの最終回では15%を超え大躍進したドラマ航空自衛隊の広報室を舞台にした「空飛ぶ広報室」(TBS系)です。新垣結衣さん演じる美人テレビディレクター稲葉リカと綾野剛さん演じる不慮の事故で夢を断たれた航空自衛隊の元戦闘機パイロットという2人が、考え方も立場も違いながらも、お互いに理解を深め惹かれ合い、成長していく姿を描いていく人気作家・有川浩さんのベストセラー小説のドラマ化です。最終回では3月11日の東日本大震災後の2人が描かれていました。ドラマを通じて改めて震災を意識し直した方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

一方、番組ホームページは非常にコンパクトにまとめられていて幅広い年代の方を意識しているように感じられます。スタッフではなく出演者の番組ブログになっている点も読み応えがあるのかもしれません。番組ホームページ推定接触者も回を重ねるごとに順調に推移し最終週では139,000人となりました。

最後は米倉涼子さん演じる馬場亜矢子が高校生活をやり直すために35歳にして一般の高校に通い、クラスで起こる問題を解決していくという社会派ドラマ「35歳の高校生」(日本テレビ系)です。高校ではいじめ、不登校、学校裏サイトによる生徒同士が「1軍」「2軍」…と順位をつけ教室内での身分を差別化するというスクールカーストなど実に様々な問題が起こります。

5月から6月にかけてTV視聴率、番組ホームページ推定接触者とも低下傾向にありましたが最終2話で盛り返しました。最終回は傷害事件も起きるといった息詰まる内容で最後にはその事件を機にクラス全体が立ち直り全員で卒業を迎えるといった2時間スペシャルとなりました。最終回のTV視聴率は14.7%、この週の推定接触者は88,000人と健闘しました。

ちなみにNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」は3か月クールではないため今回は含まれませんでしたが同期間の番組ホームページ平均推定接触者は265,000人となっています。ホームページでは平面的に盛りだくさんなコンテンツが表示され、にぎやかでありながら見つけやすい作りになっているようです。TV平均視聴率も平均19.7%(第1回から第73回まで)ということなので文字通り国民的な番組になっていますね。

そろそろ7月クールの番組が始まりますが、今後も番組ホームページ訪問者(推定接触者)とテレビ視聴率の関係も一つひとつチェックしてみると面白いかもしれません。

調査概要

視聴率測定システム「Reach Next」のURL視聴率測定機能を利用し4月クールにおいてTV視聴率の高かったドラマの番組ホームページ推定接触者数を調べた。

測定時期 2013年4月9日~6月24日
Reach Nextとは 特定のワードに対するURLや、指定したURLの集合に対する視聴率を計測し、オンライン上のコミュニケーション活動の成果を評価するためのツール。   ネット視聴率測定システム「Reach Next」の詳細はこちらから。

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