MENU

Brand Strategy journal ブランド戦略通信

ブランドなんでもランキング

第79回:移住に関する調査

人口減少も待ったなしの状態になった今、各地域では移住者を呼び込むことに力を入れるようになっています。各地方自治体や団体では地域の情報を広く提供し、魅力を伝えるべく様々なイベントも行われており、移住に関心のある人々との間で交流が盛んになりつつあります。今回は移住について関東圏(栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川)、東海圏(静岡、愛知、岐阜、三重)、近畿圏(滋賀、京都、奈良、大阪、和歌山、兵庫)在住のみなさんに尋ねてみました。

移住について

移住について考えたことはありますか

移住について考えたことがあるか聞いてみると、「考えたことがある」人は11%、現在「考えている」人は4%、「将来的に考えてみたいと思っている」人は20%でした。「すでに移住している」人も2%いて、40%に近い人が移住について前向きな考えをもっている(いた)ことがわかりました。

移住してみたい(した)都道府県

どの都道府県に移住したいですか

続いて移住するとしたらどこの都道府県に移住したいか尋ねてみると北海道12%、静岡県11%、沖縄県10%、東京都、神奈川県が9%となりました。

北海道、沖縄県と答えた人の居住地域は様々であった一方、静岡県と答えた人は関東圏や愛知県在住者が多く、東京都、神奈川県と答えた人の多くは現在も関東圏在住でした。遠く離れた地域のみならず近隣の地域に新天地を求める人も多いようです。

移住に重視すること

移住についてどのようなことを重視しますか

それでは移住について重視することはどのようなことでしょうか。今回は首都圏、東海圏、近畿圏在住者を対象に尋ねたこともあるからか「自然に恵まれている」に39%と多くの回答が集まりました。ただ、自然を求める反面、都市部での現在の生活で享受している利便性を手放すことに抵抗がある人もいるのかもしれません、「交通の便が良い」にも30%の人が回答しています。続いて「天災が比較的少ない」、「住宅環境が良い」、「食が豊かである」が29%、「物価が安い」が27%と続きました。

一方で「人間関係が良い」15%、「仕事環境が良い」12%といった回答はそれほど多くはありませんでした。これらは普段の生活の中でだれもが重視していることだと思われますが、個人によって感覚が異なることもあり実際に暮らしてみなければわからない部分も多いのかもしれません。そのため客観的な情報が得やすい「自然に恵まれている」、「交通の便がよい」などに比べて回答が少なかったのかもしれないですね。

移住に必要な情報を何から得ようと思うか

移住に必要な情報を何から得ようと思うか

それでは実際に移住を考える際には情報をどこから得たいと考えているのでしょうか。もっとも多かったのは「地方自治体の移住のポータルサイト」で41%の人が回答しています。さらに「個人のブログ」11%、「個人のSNS(FacebookやTwitter、Instagramなど)」9%、「その他のインターネット上の情報」26%と離れた地域の情報を収集するにはやはりインターネット上の情報が有益であることがわかります。

また「実際に移住している人からの情報」は16%でした。本来重要なこれらの情報も実際に収集するのはなかなか難しいため、こちらもインターネットが活用できそうです。例えば「ひろびろ ひろしま移住サポートメディア」や「愛媛県で暮らそう!えひめ移住支援ポータルサイト『e移住ネット』」など移住者の声を全面に打ち出して移住を検討している人に役立つ情報を提供しているポータルサイトも数多くあります。

移住に関するWebサイトの必要なコンテンツ

Webサイトに必要だと思うコンテンツ

さらに移住に関するWebサイト上の情報で必要だと思うコンテンツを尋ねてみると「住まい」と答えた人が40%、「仕事」と答えた人が38%、「暮らしの様子」、「移住体験者の声」が31%と移住先での暮らしを想像できるようなコンテンツを求めている様子が窺えます。 「沖縄県移住応援サイト おきなわ移住の輪-結-」では沖縄暮らし実現のための基本ステップが紹介されています。このようなポータルサイトはなんとなく湧いた移住への興味・関心からさらにワンステップ進めるよう後押ししてくれるものであるかもしれません。

離れた地域の情報や移住そのものを知るためにインターネットの情報は必要不可欠なものと言えそうです。中でも地方自治体やそれに準じた移住支援団体の発信する情報は移住についての情報源でももっとも多く活用されていたように、移住を考える人にとって信頼できる重要な情報源となっていると言えます。そのため地方自治体にとってインターネットでの移住についての情報発信は、その地域に笑顔で暮らす人を増やし、今後益々地域を発展させるため注力すべきことと言えるのではないでしょうか。

 

調査概要

東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県在住20~69歳のインターネットユーザーから回答を得た。

サンプル数 100
調査期間 2017年11月24日~11月25日
調査方法・内容 移住ついて(1. 移住について考えたことがあるか(「すでに移住している」/「考えたことがある」/「考えている」/「将来的に考えてみたいと思っている」/「考えたことはない/考えてみたいと思わない」)、2.移住するとしたら移住したい(実際にした)場所について(「47各都道府県」/「その他(海外など)」/「当てはまるものはない」)、3. 移住するとしたら重視する(実際にした)項目について(「自然に恵まれている」/「天災が比較的少ない」/「住宅環境が良い」/「食が豊かである」/「仕事環境が良い」/「交通の便が良い」/「物価が安い」/「自治体による各種支援制度が充実している」/「公的移住支援制度がある」/「子育てや教育環境が良い」/「自分のやりたいこと(趣味など)ができる」/「人間関係が良い」/「両親や親戚の近くに住める」/「当てはまるものはない」)、4. 移住するとしたら必要な情報をどこから得るか(実際に得たか)(「地方自治体の移住のポータルサイト」/「個人のブログ」/「個人のSNS(FacebookやTwitter、Instagramなど)」/「上記以外のインターネット上の情報」/「首都圏など現在住んでいる地域での説明会」/「コーディネータや相談できる窓口」/「実際に住んでいる人、移住している人からの情報」/「友人・知人・家族・親戚からの情報」/「当てはまるものはない」)、5. 移住に関するWebサイト上の情報で必要だと思うコンテンツについて(「仕事」/「住まい」/「子育てや教育」/「暮らしの様子」/「その地域のイベント」/「移住体験者の声」/「自分に合った居住地を探せる機能」/「Q&A」/「その土地の文化や魅力を伝える特集記事」/「お問い合わせ」/「当てはまるものはない」)より1.は単一回答、2.~5.は複数回答にて回答を得た。
印刷する 印刷する