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第71回:サプリメントに関する調査

アメリカでは成人の約7割がサプリメントを使用しているといわれています。食事の欧米化や所得の向上により今後アジアでも市場は急拡大するといわれています。日本でも健康食品・サプリメント市場はすでに1兆5,000億円を超えており、これはペット関連産業を上回る規模です。犬猫の飼育数は15歳未満の人口よりも多いというのですからそれに勝る健康食品・サプリメントの市場の大きさは相当なものですね。今回はみなさんがサプリメントについてどのような意識をもっているのか聞いてみました。

サプリメントの購入経験

購入したことがあるサプリメント

まずは購入したことのあるサプリメントについてです。もっとも多かったのが「マルチビタミンやビタミンB、C、E」といったビタミンサプリメントです。25%の人が購入したことがあると答えました。14%の回答があった「カルシウムや鉄分、亜鉛やマグネシウム、マルチミネラル」などのミネラルサプリメントとともに必要な栄養素を効率よく手軽に摂れるのは有難いですね。

ビタミンサプリメントに次いで多かったのが野菜不足の解消に根強い人気の青汁(16%)でした。もともと九州では知られていたものですが、独特の苦味からバラエティ番組の罰ゲームアイテムとして全国的に知られるようになりました。大麦若葉、ケール、明日葉、桑葉、ヨモギやゴーヤなどが原材料となっており、最近では摂取しやすいタブレットタイプのものも数多く販売されています。

またグルコサミンやコンドロイチン、コラーゲンといった関節や軟骨をサポートすると言われるものやダイエット、お肌に効果があると話題の酵素サプリメントなども購入されているようです。

購入したことのある企業

サプリメントを購入したことのある企業

それではどういった企業の商品を購入しているのでしょうか。コンビニやドラッグストアで購入できる商品を扱っている、またテレビやインターネットで大々的な広告を打っているなど知名度が高い企業や大手の製薬、飲料、食品、化粧品メーカーの製品を購入したことがある人が多いようです。現在ではこのような企業のほか、多数の中小メーカーの製品も流通しています。最近はインターネットや通販で購入できる製品も多く、「その他」と答えた人が26%に上りました。

サプリメントの購入に重視すること

サプリメントの購入先選定に当たり重視する点

続いてサプリメントの購入先選定にあたって重視する点をたずねてみました。もっとも高かったのは「成分・効果」で59%の人が重要であると答えています。サプリメントには不足しがちな栄養素を補うとことによる効果を期待している人が多いようです。また「価格」が52%とこちらも過半数の人が重要であると答えています。

ついで「会社の信頼性・イメージ」を挙げる人が多くみられました。健康食品につきまとう色々なイメージから、信頼できる会社であることはとても重要な要素になっているようです。また、「店頭で購入できること」を重視する人もいます。多くのサプリメントは通販でも販売されていますが、店頭で扱ってもらえるような大手メーカーの方が有利なようです。

サプリメントに期待する効果

サプリメントに期待する効果

それではサプリメントにどんな効果を期待するのでしょうか。もっとも高かったのは「アンチエイジング」の効果で33%の回答が集まりました。今回の調査対象としたのは30~69歳の女性です。美容、美肌といった効果への期待も大きいのではないでしょうか。

またサプリメントの本来の目的とも定義されている「栄養補給」や「免疫力向上」にもそれぞれ29%と高い期待が寄せられているようです。免疫力向上には免疫細胞の7割が存在すると言われる腸内環境の改善が必要と考えられています。乳酸菌やラクトフェリンのほか、スピルリナやミドリムシといった藻類サプリメント、ミツバチが木の樹液から集めたプロポリスや働き蜂が花粉や蜂蜜を体内で分解・合成し分泌するロイヤルゼリーなども効果があると言われています。

続く「ダイエット」や「骨・関節の強化」には22%、「コレステロール低下」には13%、「アレルギー対策」には10%の回答が集まりました。もっとも薬事法の関係でメーカーが効能をうたった広告をすることは基本的にできません。

サプリメントに使っている費用

サプリメントに使う1ヶ月当たりの金額

最後にサプリメントに1ヶ月当たりどの程度の費用をかけているのかたずねてみました。半数を超える人が「0円」と答えており、定期的な購入はしていないようです。次いで30%と多い価格帯は「~2,000円」。恐らく手軽に摂れるタイプのもの1~2種類の摂取になるでしょうか。一方で5千円を超える人(「~10,000円」と「20,000円以上」の合算)も5%いました。

サプリメントは「成分」をうたうことはできますが、「効能」をうたうことには厳しい制約があります。安心できる製品として購入してもらえるためには、企業のブランドはこれからもとても重要な役割を果たすことと思われます。

調査概要

全国30~69歳女性のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2016年1月8日~1月13日
調査方法・内容 サプリメントについて(1.購入経験(「酵素」/「藻類葉緑素(スピルリナ、クロレラ、ミドリムシなど)」/「青汁」/「ビタミン(マルチビタミン、ビタミンB、C、Eなど)」/「ミネラル(マルチミネラル、カルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウムなど)」/「軟骨成分(コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲンなど)」/「水素カプセル」/「乳酸菌」/「その他」/「購入したことはない」より「購入したことはない」以外複数回答)、2.サプリメントを購入したことのある企業(「サントリーウエルネス」/「ファンケル」/「DHC」/「やずや」/「大塚製薬(ネイチャーメイド)」/「アサヒ(ディアナチュラ)」/「小林製薬」/「協和発酵バイオ」/「その他」/「購入したことはない」より「購入したことはない」以外複数回答)、3. サプリメントの購入先選定にあたり重視する点(「成分・効果」/「価格」/「広告」/「会社の信頼性・イメージ」/「会社や商品の知名度」/「口コミ・レビュー」/「知人の勧め」/「楽天やAmazonなど大手ECサイトで扱っていること」/「その他」より複数回答)、4. サプリメントで期待する効果(「ダイエット」/「栄養補給」/「高血圧予防」/「コレステロール低下」/「アンチエイジング」/「骨・関節の強化」/「免疫力向上」/「アレルギー対策」/「その他」/「特になし」より「特になし」以外複数回答)、5. サプリメントに使う1か月当たり(1人当たり)の金額(「0円」/「~2,000円」/「~5,000円」/「~10,000円」/「20,000円以上」より単一回答)にて回答を得た。
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