地域のPRに「ゆるキャラ」と呼ばれるマスコットキャラクターを採用することが流行しているようです。
中には全国レベルで大変な人気を集めるキャラクターもあり、町おこしに一役買っています。
今回はそんな「ゆるキャラ」について調べて見ました。
調査対象としたゆるキャラと詳細URLは次のとおりです。
・ まんべくん(http://www.town.oshamambe.lg.jp/modules/towninfo/content0038.html)
・ せんとくん(http://www.pref.nara.jp/secure/69837/top.html)
・ ひこにゃん(http://hikone-hikonyan.jp/)
・ 唐ワンくん(http://www.city.karatsu.lg.jp/benri_dtl.php?category=0362099001232103148&articleid=06468590012321032491027409698)
・ へしこちゃん(http://www.wakasamihama.jp/guru/hesiko_maru.html)
各キャラクターのイメージは以下の通りです(単位は%)。
まんべくん | せんとくん | ひこにゃん | 唐ワンくん | へしこちゃん | |
---|---|---|---|---|---|
親しみがもてる | 4 | 13 | 67 | 14 | 23 |
個性的 | 35 | 49 | 15 | 6 | 8 |
インパクトがある | 20 | 48 | 6 | 3 | 7 |
ユーモラス | 25 | 27 | 26 | 14 | 20 |
その土地のイメージに 合っている | 8 | 21 | 25 | 7 | 12 |
その土地に 興味を持った | 3 | 2 | 12 | 4 | 2 |
その土地に対する 好感度が上がった | 0 | 2 | 26 | 3 | 2 |
認知度トップは「せんとくん」、僅差で「ひこにゃん」
ゆるキャラ認知度トップはせんとくんで、なんと認知者は95%に達しました。
せんとくんは元々2010年に奈良県で開催された平城遷都1300年記念事業のマスコットキャラクターでしたが、2011年からは奈良県の公式マスコットキャラクターとなりました。
発表当初より選考プロセスを巡って市民団体が反対運動を展開したり、デザインに対する賛否両論が起こったり、民間団体が発表した「まんとくん」を始めとする非公式キャラクターが擁立されたりなど、何かと話題になったことが、結果的に認知度アップにつながることになったようです。
対してひこにゃんは2007年の彦根城築城400年記念イベントのイメージキャラクターとして、2006年4月13日、滋賀県彦根市金亀町で生まれ、同日付けで特別住民票が発行されました。その後、人気者となり、イベント終了後も引き続き彦根市のイメージキャラクターとして活躍することになりました。
このように、これら2つのキャラクターはいずれも元々はある年だけのイベントのマスコットとして登場したものですが、その後有名になって引き続き利用されるようになったという経緯を持っています。
個性的でインパクトのある「せんとくん」
せんとくんは奈良の守り神である鹿の角をたくわえた童子の形をしています。
かわいらしさを追求した他のキャラクターとは一線を画したデザインに当初は反対の声もあったようですが、「個性的」(49%)と「インパクトがある」(48%)ではトップのスコアとなっています。特に、「インパクトがある」では2位のまんべくん(20%)に2倍以上の差をつけ、圧倒的な状況にあります。
人によって「気持ち悪い」という声もあるようですが、とにかく印象に残るキャラクターであることは間違いないようです。このせんとくん、好きなことは「奈良の歴史を伝えること。奈良を好きになってもらうこと」だそうです。参加イベントは奈良県外にも広がっており、今後も引き続き活躍が期待されます。
親しみが持て、その土地に対する好感度が上がる「ひこにゃん」
ひこにゃんは彦根藩のシンボル赤兜をかぶる白い猫がデザイン化されたキャラクターです。せんとくんのようなインパクトはありませんが、癖のないデザインでとても親しみが持てるキャラクターとして支持されています。
公式ブログでは世話係がいてひこにゃんの各地での活躍ぶりが報告されています。武具を身に着けていますから、遠征となるイベント参加はすべて「ご出陣」となります。趣味は彦根城の周辺の散歩、愛称ひこにゃんのほかひそかに「モチ」という呼び名でも呼ばれているらしい、など、ゆるいどころかきめ細かな人格化がされています。その結果、「その土地に対する好感度が上がった」という人が最も多く、彦根をPRするキャラクターとしての役割を十分に果たしているといえます。
「ゆるキャラ」といいながら意外に(?)緻密な面も
まんべくんは北海道山越郡長万部町のイメージキャラクターです。あいにくツイッターの発言で世間を騒がせたということで話題となってしまいましたが、せんとくんに次いで個性的なキャラクターとして世の中には認識されているようです。
また、ゆるキャラらしさの一つの特徴である「ユーモラスである」という点でも、せんとくん、ひこにゃんと同程度の評価を受けています。
へしこちゃんは福井県三方郡美浜町のマスコットキャラクター、美浜野へし子ちゃんで、父・美浜野サバ男と母・同サバ子の娘として昭和58年の秋に秋鯖として生まれました。へしことは、鯖に塩を振って糠漬けにしたこの地方の郷土料理のことを指します。胴回りには樽、首には糠のマフラーを巻いています。イメージソング「へしこドドンパ」もあり、たくさんブランドのフックになる要素がついています。
唐ワンくんは佐賀県唐津市の唐津城築城400年記念のキャラクターとして2008年に生まれました。ひこにゃんの猫に対して犬が兜をかぶり、誕生日もひこにゃんと同じ4月13日と何かとひこにゃんを意識させるキャラクターですが、ひこにゃんと共演するイベントもあり、今後もゆるキャラブームを盛り上げていくことが期待されます。
このように、一般的には「ゆるキャラ」と呼ばれていますが、有名なキャラクターほどよく考えた設定が行われ、また、運営を通じて育成しているという面が見られます。ゆるーい突っ込みどころも、その背後には緻密な計算があるのかも知れませんね。
調査概要
全国20歳以上男女のインターネットユーザーから回答を得た
サンプル数 | 100 |
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調査期間 | 2011年10月17日(月) |
調査対象 | まんべくん(北海道)、せんとくん(奈良県)、ひこにゃん(滋賀県)、唐ワンくん(佐賀県)、へしこちゃん(福井県) |
質問方法 | 被験者にそれぞれのキャラクターの画像を提示し、その印象を尋ねた。 |