ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

ブランドなんでもランキング

第3回:ファンデーションのイメージ

女性のマストアイテム、化粧品。「きれいになりたい」という切実なツボをついて、各メーカーとも日々新しい戦略を打ち出してきます。原価があいまいで、イメージが商品そのものを成り立たせていると言っても過言ではない化粧品は、ブランド戦略がもっとも力を発揮する分野でしょう。なんでもランキング、3回目はそんな化粧品の中から、ほぼすべての女性が使っているアイテム、ファンデーションを取り上げました。

今、成長著しいドラッグストアをメインの販売チャネルとしている国産メーカーのブランドをとりあげ、使用したことがあるか、ないかに関わらず、当てはまるイメージをたずねました。

そして、イメージを「感覚面」と「機能面」から捉え、分析しました。

感覚面の分析

時代をリードする『マキアージュ』、『マックスファクター』は「高級感」で差別化
【図1】感覚的イメージのランキング

【図1】感覚的イメージのランキング

まず、「おしゃれ」「わくわく感がある」「高級感がある」「安心感がある」という感覚的なイメージから見ていきましょう。このカテゴリーの中で目立つのが、『マックスファクター』の「高級感」です。56という高い数字(数字は全回答者に占める当該項目への回答者の割合、%、複数回答。以下同様)が出ました。商品の価格をみると、他4社とほぼ同じ価格帯(10月20日発売の新製品は700円ほど高いが)、販売戦略もさほど高級感に訴えるものではなかったのですが、『マックスファクター』といえば、百貨店ラインの『SK-2』ブランドがあります。桃井かおり、小雪をイメージキャラクターにしたこだわりの高級・高性能路線をまっしぐらに進む同ブランドのイメージが反映しているのかもしれません。次に目に付くのは、『マキアージュ』(資生堂)の「おしゃれ」でしょう。『マキアージュ』は、資生堂メガブランド構想のひとつで、メーキャップブランド『ピエヌ』と、ベースメークブランド『プラウディア』を統合し、05年8月に誕生した新ブランド。いま、もっとも旬な篠原涼子、伊東美咲、蛯原友里、栗山千明の4人を起用し、「いまを楽しむ都会の女性たち」というイメージで打って出ました。ドラマ仕立てのCMも話題になりましたね。『マキアージュ』は、「わくわく感」でもトップですが、シーズンごとに変わるフレーズやCMに、新しいシーズンの到来を感じ、女性ならずとも「わくわく」するのではないでしょうか。

『レイシャス』『レビュー』は「高級感」よりも「安心感」の庶民派

時代の先端を行くイメージも大切ですが、肌に直接触れるファンデーションは「安心感」も欠かせませんね。この「安心感」が高かったのは『レイシャス』(花王ソフィーナ)、『レビュー』(カネボウ)。身近にあるブランドという認識なのでしょうか。化粧品の老舗カネボウとそれを取り込んだ花王の2ブランドが皮肉な結果になってしまいました。『レビュー』は加藤あいを起用し、「お嬢様フェイス」というフレーズをうたっていますし、『レイシャス』もエキゾチックな顔立ちの香椎由宇を起用するなどシャープさを出そうという広告展開が感じられますが、両ブランドとも、「高級感」にはいまひとつ近づけないようです。

機能面の分析

メッセージとして伝わる機能性は「カバー力」?
【図2】機能的イメージのランキング

【図2】機能的イメージのランキング

次に、「カバー力がある」「もちが良い」といった機能面のイメージを見ていきましょう。どのブランドも比較的高い数値が出たのが「カバー力がある」です。特に『マックスファクター』『レビュー』で20以上の数字になっています。『マックスファクター』は「高級感」があることからも、ターゲットの年齢層の高いブランドと認識されているのかもしれません。「もちが良い」「のびが良い」「テクスチャー(質感、付け心地)が良い」に関しては、各ブランドそれぞれ、といった様子で、特に目立った傾向はありませんが、これは宣伝ではなかなか伝えきれない項目であり、実際につかったことのある人がポイントを入れているからでしょう。

また、『マキアージュ』は「パッケージが良い」点で評価されています。パッケージは、使いやすさといった機能面もですが、デザイン性も持ち合わせており、心理的要因も多く関わりますね。こうしてみてみると、『マキアージュ』はイメージ戦略に成功したと言えるでしょう。一方、「高級感」「カバー力」で圧倒的首位に立った『マックスファクター』は「パッケージが良い」では最下位に、「おしゃれ」では第3位でありながら「わくわく感」では最下位となっており、『マックスファクター』は、高品質でありながらも、時代をリードするというよりは、対象年齢層が高めで、機能性が重視のブランドと認識されているようです。

そして、「あてはまるものがない」が40という数値の出た『エスプリーク』(コーセー)は、どの項目も低く、明確なブランドメッセージが消費者へ届いていない、もしくはメッセージが多様だ、と言えるのではないでしょうか。

今回のランキング、感覚と機能に分けて分析をしてみましたが、それぞれ合計するとどのブランドも感覚の方が高い数字になりました。消費者は感覚で化粧品を見ていると言えるでしょう。

調査概要

全国の25歳〜35歳のインターネットユーザー(女性のみ)から回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2006年10月23日〜10月24日
調査対象 マキアージュ(資生堂)、エスプリーク(コーセー)、レビュー(カネボウ化粧品)、レイシャス(花王 ソフィーナ)、マックスファクター(マックスファクター)
調査項目(イメージ) おしゃれ、わくわく感がある、高級感がある、安心感がある、カバー力がある、もちが良い、のびが良い、テクスチャー(質感、付け心地)が良い、パッケージが良い、あてはまるものがない
ランキング方法 おしゃれ、わくわく感がある、高級感がある、安心感があるの4項目を「感覚的イメージ」、カバー力がある、もちが良い、のびが良い、テクスチャー(質感、付け心地)が良い、パッケージが良いの5項目を「機能的イメージ」に分け、それぞれの合計値が高いものから順位付けした。
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