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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

ブランドなんでもランキング

第12回:次世代DVDに関する消費者心理分析

03年に試験放送が始まり、4年。デジタル放送もずいぶん普及しました。デジタル放送の特長は、大量のデータによる高画質。デジタル放送を録画するための次世代DVDも注目を集めています。消費者のみなさんは、購入時にどのような基準で選ぶのでしょうか? なんでもランキング12回目は、次世代DVD購入の決め手です。

まず、画質が良い、使いやすい、多機能である、デザインが良い、という項目に、それぞれどのメーカーが当てはまるかを聞いてみました。取り上げたメーカーは全部で9つ。ソニー、パナソニック、シャープ、日立、パイオニア、ビクター、三菱電機、サンヨー、東芝。すべて国内メーカーです。

ブランドイメージが影響大?

まずは、「画質が良い」のはどのメーカーかを尋ねました。ダントツでトップに立ったのがソニーで57%。全調査の中で最も大きな値となりました。そして、次点はパナソニックで45%。続く3位はシャープの27%。とここまできて、なにかピンと来ませんか? この3ブランド、薄型テレビで競い合っているメーカーでもありますよね。宣伝でもさかんに「画質のきれいさ」や「機能性の良さ」をアピールしていて、そのイメージが定着しつつあります。こうした結果を見ると、薄型テレビの宣伝効果が、次世代DVDのイメージにも影響していると言えそうです。ちなみに、4位はパイオニアの19%でした。

使いやすいメーカーはサイトもわかりやすい?

次に「使いやすさ」を聞いてみたところ、トップはパナソニックの42%。パナソニックの「ディーガ」のサイトを見ても、2択で選んで行き、自分に最適な機種を選べる購入ナビをはじめ、操作の簡単さを「快適操作」と言い換えるなど、初心者にもわかりやすく、なるほど納得の結果です。そして次点はソニーの34%。3位はシャープで25%、4位は東芝の20%と差がついていますが、さらに差がついたのは5位のパイオニアで9%、以下はいずれも一桁となりました。

多機能イメージもやはり過去の実績が物を言う?

「多機能である」という項目はどうでしょうか。薄型テレビ、ムービーとの連動は当たり前のような感がありますが、ソニーがトップで47%。世界で初めてブルーレイのレコーダーを発売したソニー。画像もサウンドにも力を入れていそうなブランドイメージもありますから、納得の結果ですね。そして次点がパナソニックで37%。こちらも世界初のフルハイビジョン4倍撮りとうたっていて、華やかな印象を受けます。ともに、デジタルムービーとの連動をうたっているのも特徴です。3位がちょっと下がってシャープと東芝の23%。4位はぐっと下がって日立の12%でした。

そして、消費者も注目する、ブルーレイとHD DVDとの比較ですが、総合点トップ3位はブルーレイ陣営と、その人気の高さが伺えます。

DVDがデザイン性をアピールするのは難しい?

そして、次に聞いたのが「デザインの良さ」。これはやはりソニーがトップで52%。ソニー=かっこいい、というデザイン性に優れているというイメージは、まだ健在のようです。次点はパナソニックで39%、3位がシャープ19%。また、「当てはまるブランドがない」という答えも19%あり、以下のパイオニア(18%)、東芝(10%)、ビクター(8%)、日立(5%)、三菱電機、サンヨー(ともに1%)という結果になりました。「当てはまるメーカーがない」が3位にきてしまったのは、この項目から見る限り、DVDでデザイン性をアピールする事は容易ではないことが伺えます。

次世代DVDメーカーXイメージ項目

【表1】

購入したいブランド、そしてその理由とは?

次世代DVD購入意向

【表2】

そして、一番肝心とも言える「購入したいブランドは」は、ソニーが51%でトップ。次点がパナソニックで44%、3位がシャープの24%。ここまで、上位3位に入っていたメーカーを見ると、いずれも液晶テレビで接戦を繰り広げているメーカーです。「画質が良い」の項目でも触れましたが、DVDのイメージは単独でなくDVD以外の映像系製品のイメージも大きく影響しているのではないでしょうか?

以下、4位東芝(19%)、5位パイオニア(16%、当てはまるメーカーはない、も同%)、7位ビクター(12%)、日立(8%)、三菱電機(5%)、サンヨー(3%)となりました。

購入意向への影響度

【表3】

左記のグラフは「購入したいブランド」を目的変数、「画質が良い」「使いやすい」「多機能である」「デザインが良い」の各イメージ項目を説明変数として重回帰分析を行い、どの項目が最も「購入したいブランド」に影響を及ぼしているかを標準化係数を指標とし示したものです。

購入意向に一番大きく影響しているのは「画質が良い」でした。「操作がわかりやすいのがいい」昨今ますます複雑化するデジタル機器の購入時によく聞かれる要望ですが、その実、DVDに限って言えば、消費者は、まずは画質、次いで操作性、機能性を見ているのではないでしょうか。

調査概要と結果

調査方法 全国のインターネットユーザーに対するアンケート調査
対象者 30代〜40代男性
サンプル数 100
調査期間 2007年11月2日(金)〜2007年11月3日(土)
調査対象 ソニー、パナソニック、シャープ、日立、パイオニア、ビクター、三菱電機、サンヨー、東芝
調査項目 Q1次世代DVDで「画質が優れている」と思うメーカーは次のうちどれですか/Q2次世代DVDで「使いやすい」と思うメーカーは次のうちどれですか/Q3次世代DVDで「多機能である」と思うメーカーは次のうちどれですか/Q4次世代DVDで「デザインが良い」と思うメーカーは次のうちどれですか/Q5次世代DVDを「購入したい」と思うメーカーは次のうちどれですか
ランキング方法
及び分析手法
「画質が良い」「使いやすい」「多機能である」「デザインが良い」の各イメージ項目について、パーセンテージの高いメーカー順にランキングを行った。「購入意向」についても同様に順位付けを行った。

重回帰分析を行い、どのイメージ項目が購入意向に最も強い影響を及ぼしているかを分析。なお、影響度の指標には標準化係数を用いた。

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