企業情報サイトのユーザーとその企業、ないしはその企業が属する業界との関係を尋ねた結果が(図表1)である。
最も多いのは「製品・サービスを自分が利用した」(55.5%)で、個人顧客としての関係である。半数を超えるが、中には食品・水産の個人顧客の割合が更に高い業種もある。これに対して「製品・サービスを業務上利用した」(25.9%)というBtoB顧客は全体では個人顧客のおよそ半分以下だが、電機・精密や運輸ではおよそ3分の1をBtoB顧客が占める。
「投資したことがある・投資に興味がある」(25.9%)という投資家、ないし潜在的投資家は業種によってその割合は大きく変わらない。
従来型広報のターゲットは少ない
個人顧客、投資家、BtoB顧客のユーザーは多いが、反対に「アナリスト、研究者、報道関係者である」(0.9%)という人はきわめて少ない。これらは従来から広報がコミュニケーションのターゲットとしてきた人たちである。従来型広報では直接のコミュニケーション対象は主としてメディア関係や機関投資家といった、プロの世界の人たちであった。一般の方に対しては、彼らを介してコミュニケーションを行うというスタイルが一般的であった。ところが、インターネットでは一般の方と直接コミュニケーションを行うことができ、実際の利用者も一般の方が中心である。当然、一般の方を意識したコンテンツの提供が重要である。
たとえば、ニュースはプレスに投げ込んだもののコピーをPDFでアップすれば十分と考える企業もあるが、一般の方からはPDFはあまり歓迎されないフォーマットである。記者のようにリリースを見て取材を申し入れるという行動様式も一般の方にはない。むしろ、動画で発表の様子を見る、リンクで(商品発表であれば)商品詳細を見ることができるなど、当該リリースとその関連情報だけで興味・関心を十分満たしてくれることが大切である。
印刷する