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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

企業情報サイト調査結果分析2011

第1回:企業情報の情報源における企業サイトの位置付け

信頼のメディアとしての新聞と企業サイトの位置付けは変わらず

今回の調査においても、企業情報サイトユーザーが信頼する企業情報源を調査した。

今回も最も信頼できるメディアとして挙げる人が多かったのは「新聞」(69.4%)、次いで「企業のWebサイト」(64.4%)だった(グラフ参照)。

Q:企業情報について、あなたが信頼できると思う情報源をお選び下さい。(複数回答)、(回答者の割合%)、新聞69.3%、企業のWebサイト64.4%、ニュースサイト・ポータルサイト48.9%、テレビ48.6%、ブログ・掲示板・SNS・ツイッター16.1%、その他10.2%、あてはまるものはない6.6%

【図1】信頼できる企業情報の情報源

これらは3番目のニュースサイト、ポータルサイト(48.9%)、テレビ(48.6%)を大きく引き離している。

本調査でこのデータを公表するようになって以来、信頼のメディアとしての新聞は一般消費者の意識において不変の地位を維持している。また、そのすぐ下に企業Webサイトが位置することも変わらない。

もっとも、新聞の発行部数は減少傾向にあり、その分の影響力は徐々に低下傾向にあることに留意する必要がある。

日本新聞協会のデータによれば、新聞の発行部数は2000年には一般紙、スポーツ紙を合わせて5,371万部あったが、2010年には4,932万部へと減少し、2011年には更に4,835万部へと前年と比べて約98部減少した。

このことから、企業Webサイトの重要度は相対的に向上していると見ることができる。ただし、企業Webサイト以外にも多くの企業情報がオンライン上にあるが、それらは元をたどれば新聞社や通信社が配信した情報(さらにその元は企業自身だが)であることが多い点にも注意する必要がある。

また、費用対効果の点では、新聞記事は取り上げるかどうかが新聞社の任意に委ねられ、紙面への掲載を確実なものとするためには広告出稿が必要になる。一方、企業Webサイトにも制作費、運用費は必要だが、同じ接触者を獲得するための費用は新聞より格段に少なく済むことが多い。

もちろん、企業広報のあり方として、メディアと良好な関係を築くことは最も基本的なことの一つであり、企業Webサイト一辺倒で良いということではない。

しかし、商品の販売に直結するコミュニケーションはマスメディアを積極的に活用し、企業ブランドを伝達する活動は企業Webサイトを基本に据えつつ他の媒体を補完的に利用するというように、自社としての基本方針を確立することが重要である。

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