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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

企業情報サイト調査結果分析2010

第1回:企業情報の情報源における企業サイトの位置付け

信頼のメディアは新聞と企業サイト

本調査は信頼できるメディアとしての企業サイトの位置付けに立脚している。

そのため毎回の調査において、一般の方が信頼する企業情報はどのメディアかを調査してきた。

最も信頼できるメディアとして挙げる人が多かったのは「新聞」(69.8%)であった(図1)。次いで「企業のWebサイト」(63.7%)が多かった。企業のWebサイトは新聞に対して約90%の回答率だった。新聞は「信頼のメディア」と言われることがありこれが決して誇張ではないことがわかるが、同時に企業のウェブサイトの信頼度が新聞に迫る水準であることもわかる。新聞に企業のウェブサイトを加えた2つのメディアが他を大きく引き離す、消費者にとって信頼できる2大企業情報源としての地位を確立している。

回答者の割合(複数回答)、新聞69.8%、企業のウェブサイト63.7%、テレビ44.6%、ニュースサイト/ポータルサイト43.9%、ブログ/掲示板/SNS/ツイッター10.6%、その他8.4%、当てはまるものはない7.5%

【図1】企業情報の信頼できる情報源(2010年)

この背景には消費者の企業に対する信頼があると考えられる。企業情報サイトの運営者はユーザーの信頼に応えるべく真摯に努める責務があるといえよう。

新聞は最も信頼されるメディアだが、記事内容の選択は第三者に委ねられしかも紙面に限りがあるのが難点である。もちろん広告という手段もあるが費用が高い。また、一回の広告で伝えられる情報量には限度がある。これに対し、企業情報サイトは新聞では伝えきれない詳細な情報あるいはメッセージを直接多くの消費者に伝えることができる。

新聞と企業Webサイトはいずれも重要なコミュニケーション媒体でありどちらか一方のみに肩入れするべきものではないが、費用対効果の点ではWebサイトが優れているため、企業広報に関しては自社媒体たるWebサイトに力を入れる企業は今後も増えるものと考えられる。

さて、近年いわゆるソーシャルメディアへの注目の高まりを背景として、ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションに取り組む企業が増えている。ソーシャルメディアの活用はマーケティング分野で先行し、まだ企業情報で活用する事例は必ずしも多くないようだが、ソニーが電子書籍リーダーの発表会をUSTREAMで中継するといった事例も現れている。

本調査ではブログ・掲示板・BBS・Twitter(Twitterは2010年度追加)などのソーシャルメディアを信頼する人の割合は10.6%(昨年は16.0%)で、回答者割合は企業Webサイトの6分の1という結果になり、また昨年より低下した。このように、企業情報に関する限り一般にソーシャルメディアの信頼度は低い。ただし、これは出所不明な口コミ情報に対する信頼度の水準を反映したものと考えられる。上述したソニーの事例では、情報を伝達するために利用したプラットフォームがソーシャルメディアというだけで実質的な情報の出し手は明確であり、信頼度という意味では企業Webサイトと同等の位置付けにあるものと考えられる。

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