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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

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第29回:テレビ製品ロゴのイメージ調査

ブランド名 企業名
VIERA パナソニック
AQUOS シャープ
BRAVIA ソニー
REGZA 東芝
Wooo 日立

ロゴとはロゴタイプ(logotype)の略で社名やブランド名を消費者に強く印象付けるためデザインされたものです。ロゴは「色」や「形」を伴うため、ブランドネームだけよりも効果的に企業や商品のメッセージを伝えることができます。では、こうして世に出てきたロゴは消費者にどのような印象を与えているのでしょうか。
今回はテレビ製品を取り上げ、そのロゴに対して消費者が抱くイメージについて聞いてみました。(調査対象としたロゴは【表1】をご参照下さい。)

Case1:VIERA(パナソニック)

vieraロゴ
斜体ゴシックでインパクトのあるロゴ。「r」が小文字の個性的なデザイン。
VIERA 単位%
個性的である 47
インパクトがある 29
見やすい 20
読みやすい 17
センスが良い 16
先進的である 15
覚えやすい 15
好感がもてる 10
親しみが持てる 6

VIERAのロゴはこちらから→http://panasonic.jp/viera/

最初に登場するのはパナソニックのVIERAです。ビエラとは、VI(=VISION:映像)とERA(時代)をあわせた造語で、「新時代の映像生活」を提案する薄型テレビの総称として名付けられました。

映像の美しさだけでなく、時代とともに新しいテレビライフを生み出し続けること、それがVIERAのコンセプトです。

VIERAのロゴは5製品の中で、唯一斜体のデザインとなっており、Rは小文字のrが使われています。「個性的である」(47%)、「インパクトがある」(29%)と高いデザイン性を評価される結果となりました。

さらに「先進的である」(15%)は5製品中トップ、「センスが良い」(16%)は2位という評価です。

VIERAの商品コンセプトの1つに「Link」が掲げられており、現在でも単なるAV機器の枠を超え、YouTubeなど新しいコンテンツとのリンクを果たしています。

将来的には生活家電ともリンクするホームネットワークへと進化し、家電の制御や、さらには健康状態までチェックしてくれる、そんな「考えるテレビ」を目指しているようです。先進のイメージはパナソニックが目指す企業イメージの方向性とも一致していると言えるでしょう。

Case2:AQUOS(シャープ)

Aquos 単位%
見やすい 51
覚えやすい 32
読みやすい 30
センスが良い 27
好感がもてる 27
インパクトがある 18
親しみが持てる 18
先進的である 14
個性的である 11

AQUOSのロゴはこちらから→http://www.sharp.co.jp/aquos/

世界で初めてデジタルハイビジョン放送対応の28型TFTフルカラー液晶ディスプレイ商品化に成功したシャープ。2001年1月に誕生したのが「21世紀のテレビ」AQUOSです。白地に青文字のロゴは目にすることも多いと思いますが、この青い文字「アクオスブルー」と呼ぶそうです。

「見やすい」(51%)、「覚えやすい」(32%)、「読みやすい」(30%)と認識のしやすさが受け入れられた結果となりました。また「センスが良い」(27%)、「好感がもてる」(27%)、「親しみがもてる」(18%)は5製品の中でトップの数字です。薄型テレビ国内シェアで40%を超すシャープ。テレビ本体はもちろんのこと、ロゴも高い好感度を得ているようです。

Case3:BRAVIA(ソニー)

Bravia 単位%
見やすい 56
読みやすい 35
覚えやすい 18
インパクトがある 17
個性的である 15
好感がもてる 13
先進的である 11
センスが良い 9
親しみが持てる 7

BRAVIAのロゴはこちらから→http://www.sony.jp/bravia/

続いてはソニーのBRAVIA。「BRAVIA」というネーミングは「Best Resolution Audio Visual Integrated Architecture」(自然の色や質感などをありのままに映し出す高画質・薄型テレビの総称)の頭文字を取ったもので、新しいソニーテレビの完全復活の第一歩を飾るべく2005年10月よりブランド変更されました。キャッチコピーは「これからのハイビジョンを、デザインする」です。「デザインする」の意味には「画質」「操作性」「製品のデザイン・佇まい」全ての要素が含まれるというのですから、もちろんロゴのデザインについてもこの姿勢が生かされているはずです。

「見やすい」(56%)、「読みやすい」(35%)、「覚えやすい」(18%)とこちらも認知のしやすさが評価されているようです。中でも「見やすい」「読みやすい」は5製品中トップとなりました。頭文字のもととなった英語は難しい感じもしますが、それを見やすく読みやすいデザインに仕上げたあたりはさすがソニーと言えそうです。

Case4:REGZA(東芝)

Regza 単位%
個性的である 39
見やすい 27
読みやすい 22
センスが良い 16
好感がもてる 13
覚えやすい 13
先進的である 10
親しみが持てる 10
インパクトがある 7

REGZAのロゴはこちらから→http://www.toshiba.co.jp/regza/

ネーミングの由来はドイツ語の「Regsam(躍動感)」を基にした造語で「Real Expression Guaranteed by amaZing Architecture」の略称でもある東芝のREGZA。高画質化を追求した液晶薄型テレビです。

「個性的である」(39%)、「見やすい」(27%)、「読みやすい」(22%)という結果となりました。また、「センスが良い」(16%)、「好感がもてる」(13%)はいずれも5製品中2位という評価を得ています。使われているグリーンは映像技術の強みを表す半導体をイメージさせ、シャープな字体でありながらも全体に丸みを帯びた字形からはスマートだが、とがり過ぎず好感がもてる、そういった印象を与えているのでしょうか。

Case5:Wooo(日立製作所)

Wooo 単位%
個性的である 50
覚えやすい 34
インパクトがある 33
読みやすい 17
見やすい 13
親しみが持てる 13
センスが良い 12
先進的である 12
好感がもてる 11

Woooのロゴはこちらから→http://av.hitachi.co.jp/tv/

最後に日立のハイビジョンテレビWoooを見てみましょう。

2001年に「驚きがある、のWonder」、「世界の新しい基準である、のWorld standard」、「高い価値がある、のWorthwhile」3つの「Wo〜」を意味するWooo (ウー)と命名され発売されました。

「個性的である」(50%)、「覚えやすい」(34%)、「インパクトがある」(33%)といずれも5製品中トップの評価となっています。個性的でインパクトがあり、記憶に残るデザインはブランドとしての存在感を主張する優れたデザインと言えそうです。

Woooのロゴはテレビ以外のAV機器や携帯電話にもデザインされていますが、それら製品の個性を強調する役割を果たしていると言えるのではないでしょうか。

ここまで5社のテレビ製品のロゴについて見てきましたが、先進性のVIERA、親しみやすさのAQUOS、分かりやすさのBRAVIA、バランスの良いREGZA、インパクトのWoooなど、各々が各々の特徴を持っており、ロゴデザインによる商品のイメージ訴求に意義を感じられる結果となりました。

調査概要

全国の10代〜50代のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2009年4月3日〜4日
調査内容 5つのテレビ製品のロゴについてそのイメージを聞いた。
調査対象 5つのテレビ製品のロゴ(【パナソニック】VIERA/【シャープ】AQUOS/【ソニー】BRAVIA/【東芝】REGZA/【日立製作所】Wooo)を提示し、9つのイメージ項目(個性的である/インパクトがある/見やすい/読みやすい/覚えやすい/センスが良い/好感がもてる/先進的である/親しみが持てる)の中から複数回答式で回答を得た。
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