イメージ項目の因子分析
11のイメージ項目で因子分析を行ったところ、2つの因子が抽出された。第1因子は「図やイラストがわかりやすい」「文字の配置や大きさが読みやすい」「文章がわかりやすい」「使いやすい」「色使いが良い」などの負荷量が高いので、『ビジュアル因子』と名づけた。第2因子は「内容が充実している」「役に立つ」「情報が新しい」の負荷量が高いので、『プレミアム因子』と名づけた。
この2つの因子について各サイトの因子得点を算出し、分布図に表したのが下の図1である。この図からわかるように、ビジュアル因子が高いのはキユーピーや雪印乳業、カゴメなど食品会社のサイトが多く、反対にビジュアル因子が低いのはトレンドマイクロやマイクロソフトなどIT関係のサイトが多い。プレミアム因子が高いのはトヨタ自動車やアサヒビール、日産自動車、JR東日本などとなっている。
【図1】各企業サイトの因子得点分布
イメージ項目の影響度とランキング
【図2】企業情報サイト指数への影響度(偏相関係数)
企業情報サイト指数を目的変数、11のイメージ項目を説明変数として、重回帰分析を行って偏相関係数を求め、各イメージ項目のCCサイト指数に与える影響度を調べた(図2)。
その結果、「興味がわく」が最も企業情報サイト指数への影響が大きく、次いで「情報が新しい」、「役に立つ」であった。逆に、「図やイラスト」や「文字の配置や大きさ」などのデザイン・ビジュアルに関するイメージ項目はほとんど影響していないことがわかった。
影響度の大きい6項目について上位10社を以下に示す。
イメージ項目と企業情報サイト指数
イメージ項目と3指標、企業情報サイト指数の相関関係を調べてみると、右の表のようになった。
「興味がわく」「内容が充実している」「使いやすい」「情報を探しやすい」がサイト好感度と再訪問意向、さらには企業情報サイト指数との相関係数が高く、各指標との正の相関が高いことがわかった。「情報が新しい」はアクセス経験と相関が高く、「色使いが良い」と「図やイラスト」はサイト好感度および再訪問意向と相関が高い。
先の偏相関係数(=項目間相互の影響を除いた相関関係)の高かった5イメージ(上の表で*のついている項目)のポイントを合計し、企業情報サイト指数との相関を調べてみた。相関係数は0.93となり、11イメージ合計の場合よりも相関が高い。
11イメージの合計ポイントを横軸に、企業情報サイト指数を縦軸にプロットしたのが下の図3である。
ビジュアルに関するイメージが高いキユーピーなど食品会社はイメージの合計ポイントが高いわりには企業情報サイト指数が低い結果となっている。反対に、プレミアムに関するイメージが高い日産自動車や飲料会社などは企業情報サイト指数も比較的高い。