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第2回:購入検討時参考情報における企業サイトの位置付け

第1回では利用場面を限定せず、普段どのような情報源をBtoB顧客が利用しているかを見た。

今回は、購買検討という場面においてBtoB顧客が利用する情報源について検討する。

グラフには場面を特定しない普段の情報源を「業務上の情報源」、購入検討という場面における情報源を「購入検討時の参考情報」として回答者の割合(複数回答)が示されている。(図1)

(仕事上の情報源,購入検討時の参考情報,の順に)当企業のWebサイト54.4%, 31.7%, カタログ・パンフレット49.5%, 28.6%,  営業員・技術員の説明39.1%, 19.1%, 業界サイトや専門サイト38.6%, 16.7%, 専門雑誌26.2%, 11.3%, 展示会18.8%, 10.5%,  ニュースサイト19.4%, 8.2%, 専門新聞9.4%, 5.9%, 研修・セミナー16.2%, 4.9%, テレビ・ラジオ23.4%, 4.3%

【図1】BtoBユーザーの仕事上の情報源と購入時参考情報(2013年)

購入検討時の情報源は業務上の情報源と比べて全体的に数字は小さくなるが、最も重視される情報源が企業のウェブサイトである点には変わりない。

次いで、「カタログ・パンフレット」が重視されている。これも仕事上の情報源と同様の傾向であるが、企業サイトとの数字の開きは小さくなっている。このことから、購入検討時には企業サイトとカタログ・パンフレットを併用する人が多いことが想像される。

三番目は「営業員・技術員」の説明だが、数値は仕事上の情報源と比べて半分程度(39.1%→19.1%)となっている。企業側ではウェブサイトで問い合わせを獲得し、最後は営業員が決めるという図式を描いていることが多いが、顧客側の動きは必ずしもそうとは限らないように見える。

四番目は「専門サイト・業界サイト」だが、数値は仕事上の情報源と比べ、大幅に数値が小さくなる。これら情報サイトはBtoB顧客にとって重要な仕事上の情報源であり、企業から見ればアクセスの誘導元としての位置付けは大きいが、購入を検討する段階にまで行くと顧客は別の情報源に重心を移している様子が窺える。