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第3回:購買プロセスとアクセス目的の関係

BtoBの購買プロセスの捉え方には色々な考え方があるが、一例として情報収集、要件定義、製品選定、製品評価、条件交渉、稟議決済、購買、製品使用といったプロセスに分解することが考えられる(図1)。

BtoBの購買プロセスは、情報収集、要件定義、製品選定、製品評価、条件交渉、稟議決済、購買、製品使用といったプロセスに分解することができるが、本調査では購入前のアクセス目的を企画の立案段階と導入の参考段階、製品使用時の目的を導入済み製品について調べるとしてユーザーの利用状況を調査した。

【図1】BtoBの購買プロセス(例)

ただし、プロセスを細かく分けると、実際問題としてアンケート調査にはなじまなくなる恐れがある。

そこで、本調査は、購入段階におけるアクセス目的を大まかに前半(企画の立案段階)と後半(導入の参考段階)の2つに分け、購入後は一つにまとめて調査を行った。

アクセス目的として最も多いのは、購入段階の後半の「導入の参考」であり、全体の約半数を占める(図2)。

購買プロセスから見たアクセス目的の内訳(複数回答)、企画の立案26.7%、導入の参考47%、導入済み製品について調べる35.2%

【図2】購買プロセス別アクセス目的(2012)

このことから、導入の参考に役立つ情報がどれだけ充実しているかがニーズ充足度、ひいてはその後の購入検討及び購入を大きく左右することが示唆される。

購入段階の前半の「企画の立案」は「導入の参考」のおよそ半分である。

しかし、企画立案段階で利用した企業サイトの製品はそのまま導入検討段階での購買候補となる確率がきわめて高いと考えられ、できるだけ早期にユーザーを捕まえることが重要であろう。

さらに、「導入済み製品について調べる」がかなりの割合を占めていることに注目すべきである。

多くの企業は新製品の販売に注目しやすい。しかし、ウェブサイトを通じて良質なサポートサービスを提供することは、ユーザーが次の購買を検討する際に早い段階からのアクセスを促す上で重要な意義を持つであろう。

参考