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第6回: 医療関係者向けのページ

医薬品メーカーや医療機器メーカーは医療関係者向けにページを作成し、専門的な情報提供をしています。医療業界は長い間、医療関係者に対してイベントでの情報提供や営業など人からの製品説明を中心に成果を上げてきました。現在Webサイトはどのような役割を担っているのでしょうか?

Reach Nextを使用し、医薬品メーカー3社、医療機器メーカー3社の医療関係者向けページの視聴率を調べてみました。

視聴率調査概要

調査結果

医薬品メーカー3社と医療機器メーカーの医療関係者向けページの3社平均推定視聴者数,医薬品メーカーの医療関係者向けページの3社平均推定視聴者数5万8千人,医療機器メーカーの医療関係者ページの3社平均推定視聴者数1万4千人 [1]


上グラフは、調査期間に医療関係者向けのページを視聴した人数を示したものです。医薬品メーカー3社の平均視聴者数は約5万8千人、医療機器メーカーの3社の平均視聴者数は約1万4千人と、医薬品メーカーは医療機器メーカーの4倍以上の視聴者数があることがわかります。医療関係者という同じ立場の人たちを対象にしながら、医薬品メーカーと医療機器メーカーの視聴者数の違いがあるのはなぜでしょうか。

医薬品と医療機器という製品の特性の違いもあるかもしれませんが、Webサイトをみるとそれだけが要因であるとはいえなさそうです。

この差の要因と考えられるのは、コンテンツです。医療機器メーカーのページは製品説明が中心で、それ以外のコンテンツがほとんどありません。一方医薬品メーカーのページには、「領域別情報」「お役立ち情報」「患者さんとのコミュニケーション」(武田薬品工業)、「スキルアップ」「診断サポート」「コラム」(ファイザー)、「テーマ別疾患情報」「お役立ち情報」(第一三共)など製品説明以外のコンテンツが数多くあります。

また、医薬品メーカーのWebサイトは会員ページが充実しています。例えば会員になれば多くのお役立ち情報を入手したりシンポジウムの参加申込みを行うことが出来ます。

これに対して、医療機器メーカーはこれといった会員向けのページがありません。そのため利用者のメリットは医薬品メーカーのWebサイトと比べかなり小さいものと考えられます。

このように医薬品メーカー医療機器メーカーではWebサイトの活用度に大きな差があります。

医療関係者だからWebサイトを使う、あるいは使わないといった単純なことではなく、メーカー側の取り組みによってユーザーの利用度は大きく左右されることをぜひ理解してほしいと思います。

*注:Reach Nextは任意のキーワードによる検索結果、任意に設定したURLの視聴率を調べるシステムのため、設定したキーワード、URL、また調査期間によって結果が異なります。このコラムはあくまでも弊社が設定した調査の結果に基づくものであることをご了承ください。

参考