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第5回: 企業のレシピページ

食品メーカーの中には料理のレシピを重要なマーケティング手段としているところが少なくありません。かつてインターネット上のレシピ情報はそのような食品メーカーの独断場でした。しかし、クックパッドをはじめとするレシピ専門のサイトが登場してからユーザーの流れが大きく変わりました。これら専門サイトではユーザー参加型でレシピを通じた新しい楽しみを提供するとことにより大きな集客力を誇っています。

ではレシピ専門サイトと食品メーカーのレシピサイトの視聴率はどのようになっているのでしょう。レシピ専門サイト3サイトと食品メーカー4社のレシピページについてReach Nextを使用して視聴率を調べてみました。

視聴率調査概要

調査結果

食品メーカー4社のレシピページとレシピ専門サイトの視聴率,レシピ専門サイト3サイトの視聴率674万3千人,食品メーカー4社のレシピ視聴率89万7千人,専門サイトと食品メーカーのページの両方を閲覧している人72万7千人 [1]


上図は、レシピ専門サイト3サイトを合わせた視聴率と、食品メーカー4社のレシピページを合わせた視聴率を示しています。まず、レシピユーザーは巨大な母集団を形成していることがわかります。そしてその中でレシピ専門サイトの位置づけが極めて高く、大手食品メーカーはほとんどその輪の中に飲み込まれたような形になっています。すでに、そうそうたる大手メーカーが4社束になっても、レシピ専門サイトには全く及びもつかない状況になっているのです。

次に閲覧回数についても見ていきましょう。

閲覧回数,レシピ専門サイト2回以上の割合44%,食品メーカー4社2回以上18% [2]

明らかに、レシピ専門サイトのほうが高頻度で利用するユーザーを多く抱えています。レシピ専門サイトは食品メーカーのレシピページに比べ視聴者が多いだけでなく、頻繁に利用する人も多いことがわかります。

以上のような状況を踏まえると、このままでは食品メーカーはレシピに関心を持つユーザーの多くを取り込めないといえます。各社は、自社のレシピサイトのあり方を見直すとともに、レシピ専門サイトとどのように連携を行うかを検討することが重要なマーケティング上の課題であるように思われます。

*注:Reach Nextは任意のキーワードによる検索結果、任意に設定したURLの視聴率を調べるシステムのため、設定したキーワード、URL、また調査期間によって結果が異なります。このコラムはあくまでも弊社が設定した調査の結果に基づくものであることをご了承ください。

参考