ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

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第51回:企業名から連想する漢字

毎年、年末にその年の世相を表す漢字一字が「今年の漢字」として発表されていますね。今回は「絆」でした。これは全国からの公募で決まりますが、応募総数は過去最高の約50万票だったそうです。震災があったこの一年を振り返り、募った思いを漢字一字に託した方も多かったのではないかと思います。

ところで、企業に対するイメージは人それぞれ違いますね。しかしブランドとして確立されたものはなにがしかのイメージをユーザーに与えているはずです。今回は企業名から連想する漢字一字を選んでもらい人々のもつ企業イメージを少し変わった角度から探ってみたいと思います。

サントリーは「金」

今回サントリーでは「青」「金」「角」「鳥」「水」「麦」の字で聞いてみました。最も多かったのは「金」で30%です。発売開始から今年で5年目を迎える第三のビール「金麦」は同社でも売上好調な看板商品の一つとなりました。また同じく主力商品であるビール、「ザ・プレミアムモルツ」はモンドセレクションで最高金賞を受賞しています。缶のデザインでも金色が多くあしらわれており、そういったものを連想する方が多かったのでしょう

次いで多かったのは「角」で22%。こちらは「サントリーウイスキー角瓶」をイメージされた方が大半でしょう。ハイボールの再流行、CMキャラクターの交代など何かと話題に上ることも多くイメージとして残った方も多いかもしれません。

3番目に多かったのは「水」。こちらはコーポレート・スローガンにもなっている「水と生きる」からの連想でしょうか。同社のサイトにも関連したコンテンツがいくつも挙げられており、最も大切に考えているものであることがうかがえます。企業の思いがユーザーにも伝わっていると言えそうですね。

以下、コーポレートカラーでもある「青」、ビールや金麦を連想させる「麦」、社名にもなっている創業者鳥井信治郎を連想させる「鳥」と続きました。

コカ・コーラから連想するのは「赤」

続いて日本コカ・コーラです。「赤」「泡」「黒」「米」「爽」「飲」で聞いてみると、圧倒的多数を占めたのはコーポレートカラーでもある「赤」です。企業名自体が商品名の「コカ・コーラ」ですのでコカ・コーラをイメージする色はドリンクそのものの「黒」(9%)よりもラベルやロゴで使われている「赤」(66%)の方が強いと言えそうです。

次いで多かったのは「爽」です。日本で最も高いシェアを占めているブレンド茶「爽健美茶」を連想する方が多かったのでしょう。また、1960年代のキャッチコピー「スカッとさわやかコカ・コーラ」を連想された方もいらっしゃるかもしれません。11%の方が「爽」と答えています。

以下、「黒」「飲」「泡」と続きアメリカを連想させる「米」は1%と最も低くなりました。

日清食品はやはり「麺」

日清食品では「食」「箸」「福」「麺」「湯」「世」の字で聞いてみました。インスタントラーメンが中心の食品会社、圧倒的に多かったのはやはり「麺」でした。連想する漢字として84%の方が答えています。戦後間もなく大阪のラーメン屋台で美味しそうにラーメンを食べる人を見て「日本人は本当に麺類が好きなんだ」と思ったことが創業者、安藤百福をインスタントラーメン発明へと導いたそうです。食に関してもブームがめまぐるしく変わる現在でも日本人の「麺」好きは変わりません。戦後いち早くそこに目をつけ、家庭で簡単に食べられるインスタントラーメンを自ら発明した創業者、安藤百福を連想させる「福」(あるいは食べているときに「幸福」を感じられるという方かもしれませんが)、「福」の字も3%の方に選ばれています。

2番目としては「食」、そして「福」を挟んで「湯」「箸」と続きました。

様々な顔をもつ日立製作所

続いては日立製作所、日本最大の総合電機メーカーです。「嵐」「茨」「技」「原」「鉄」「電」の中、電機の「電」(25%)を上回り最も多かったのは「鉄」(29%)でした。同社は車両から交通システムまで鉄道に関わるもの全てを作ることができる日本唯一の鉄道総合システムインテグレーターを謳っています。通勤・通学で毎日お世話になっているのですね。

「電」(25%)に続いては「技」(23%)と上位の票は僅差で分かれました。1940年代より長きにわたり使用されてきたキャッチフレーズ「技術の日立」が耳に残っている方も多いかもしれません。

以下、創業の地「茨城県日立市」、「原子力」、家電スローガン「日立はエコにたし算」のCMキャラクターの「嵐」をそれぞれ連想させる「茨」、「原」、「嵐」にも回答がありました。

ソフトバンクモバイル、選ばれたのは白戸家の父

最後は携帯キャリアのソフトバンクモバイルです。「犬」「携」「白」「通」「手」「電」の中から最も多く選ばれたのは「犬」で48%、続いては「白」で28%でした。同社の主力料金プラン「ホワイトプラン」、CM上で家族設定されている「白戸家」、そして白戸家の父を演じる北海道犬カイ君などが連想されているようです。

続いて携帯電話の「携」、通信の「通」、電話の「電」など業態を連想させる字が続きますが、上位の「犬」「白」には遠く及ばないことからも、ソフトバンクモバイルではすでに業態認知を超えたブランドが圧倒的であり、CMの影響力の強さがうかがえます。

今回は、日立製作所のような総合企業ではそれぞれの分野・製品そのもの、食品会社のように商品種類の多い企業ではそれぞれの商品名、そして取り扱う商品の種類があまり多くない企業では個性を全面的に出したキャラクターなどがブランドイメージになっているケースが見られました。こういう視点で企業とブランドの関係を見てみると何か変わった発見があるかもしれません。

調査概要

全国20歳以上男女のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2012年1月11日~1月12日
調査方法・内容 サントリー、日本コカ・コーラ、日清食品、日立製作所、ソフトバンクモバイルに対し、それぞれ任意の六つの漢字の中から一字を選んでもらった。
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