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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

ブランドなんでもランキング

第4回:ファンデーションのイメージ(海外ブランド編)

お化粧をするほぼすべての女性が使っているアイテム、ファンデーション。前回の国内ブランドを主としたランキング(詳しくはこちら)に引き続き、今回は5つの海外ブランドのイメージを聞き、それぞれ感覚面、機能面に分けて分析、また、前回の結果と比較してみました。

やはり化粧品は機能より、感覚重視

海外ファンデーションブランドイメージ

【図1】海外ファンデーションブランドイメージ

まずは、感覚面と機能面の比較してみましょう。5つのブランドを見渡すと、どれも感覚面の値の合計が、機能面の合計よりも高く出たのは、化粧品ならではの結果ですね。感覚面の「高級感がある」「おしゃれ」で高い値を出した『シャネル』『ディオール』(パルファン・クリスチャン・ディオール)は機能面ではほぼすべて低い値を出しています。唯一高い値を出した項目が「パッケージが良い」。やはり「高級感」や「おしゃれ」に通じるものですね。その他の3つのブランドの機能面では、「カバー力がある」に高い値が出ています。

「高級感」あっても心は躍らない?

次に細かく見ていきましょう。今回、目につくのが、「高級感がある」の項目です。『シャネル』85(数字は全回答者に占める当該項目への回答者の割合、%、複数回答。以下同様)、『ディオール』74という高い値を出しました。その他3ブランドでも、値の高い項目の上位3位以内に入っています。5ブランドとも、5000円以上、と実際に価格が高めではありますが、最近は、国内ブランドの商品でも高価な製品が出回るようになり、価格の面での国内ブランドと海外ブランドのボーダーレス化が進みました。それでもこの結果とは、外国の製品=高価な品、というイメージがまだまだ根強いのでしょう。

一方、意外な結果となったのは「わくわく感」でしょう。5ブランドとも低い結果となりました。「高級感」で高い値を出した『シャネル』にいたっては4、『ディオール』も8という値になり、『ランコム』『ヘレナ・ルビンスタイン』『クリニーク』(クリニーク ラボラトリーズ)がそれぞれ、7、6、5という値です。海外品=高級品というイメージではあるけれど、それが必ずしも心躍るものではない、ということなのでしょうか。もはや海外旅行が当たり前の現在、外国の製品は高価な品ではあるものの、あこがれの品ではないのでしょう。

次に「おしゃれ」を見てみましょう。最高値が『ディオール』の37。次いで『シャネル』の24、『ランコム』の22、『ヘレナ・ルビンスタイン』の21、『クリニーク』17という結果で、これも他の項目に比べ、突出しているわけではありませんが、なかなか高い値となっており、ビジュアルに力を入れた宣伝を続ける海外ブランドの面目を守ったといえるでしょう。

「安心感」は激しい差が

5ブランド中で85という最高値(「高級感がある」というイメージ)を出した『シャネル』は最低値も出ました。「安心感がある」の1です。これは、『シャネル』の製品に不安がある、という訳ではなく、『安心感』というイメージに『シャネル』のブランドイメージがマッチしないのではないでしょうか。また、この項目でナンバーワンに輝いたのが、皮膚科医監修のスキンケアブランドとうたっている『クリニーク』です。同ブランド内の他の項目とも大きく引き離し、5ブランド中最高値の52という値が出ました。流行に左右されやすいコスメ業界にあって、ひとつのコンセプトだけを伝え続けるのは難しいものですが、初志貫徹といいますか、このブランドは、常に一定したメッセージを投げかけ、イメージの確立に成功しているのでしょう。

一方、訴求力がいまひとつなのは、『ヘレナ・ルビンスタイン』です。トップが「あてはまるものがない」の44となってしまっており、消費者へのメッセージが分散しています。また、『ランコム』に関しても、すべての項目について50パーセントを切る結果となっており、消費者はあいまいなイメージしか持っていないのかもしれません。この2つのブランドもイメージを伝えきれていないようです。

国産には親近感、海外は高級感

今度は前回の国内ブランドを主としたランキングとの比較をしてみましょう。

国内ファンデーションブランドイメージ

【図1】国内ファンデーションブランドイメージ

まずは「高級感」について。前回の国内ブランド調査では、1位は『マックスファクター』の56でしたが、海外ブランドでは、先に述べたように『シャネル』で最高値を出していますし、最低値でも『クリニーク』の20、次いで『ヘレナ・ルビンスタイン』の29、『ランコム』の39、合計すると247という値です。国内ブランドの値の合計が121ですから、2倍の値となりました。「わくわく感」や「安心感」に比べ、突出していますね。

こうして全体を俯瞰すると、面白い傾向が見えてきます。女性の方にお聞きしますが、今回取り上げた海外ブランドのイメージガールが誰だか、すぐに思い浮かべることができますか?

では、国内ブランドは?

国内ブランドでは大体見当がつく人も多いと思うのですが、海外ブランドはちょっとノと首を傾げる女性が多いのではないでしょうか。海外5ブランドともに低い値となった「わくわく感がある」ですが、この「わくわく」は「きれいになれるかもしれない」「新しい自分になれるかもしれない」という、イメージを自分に投影することで感じるものではないでしょうか。知名度のあるタレントを起用することで親近感や安心感を得られることも国内ブランドの魅力の一つと考えられます。海外ブランドの宣伝は一様に美しいものが多いのですが、現実感がなく、「わくわく感」を発信できていないのかもしれません。かたくなに日本人女性を宣伝に登用する国内ブランドと、ひたすら美しいビジュアルにこだわる海外ブランド。これだけ海外の製品があふれている現在においてもなお、国内ブランドがシェアの半分以上を占める理由はここにあるのではないでしょうか。

調査概要

全国の25歳?35歳のインターネットユーザー(女性のみ)から回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2006年11月27日?11月28日
調査対象 CHANEL(シャネル)、Dior(パルファン・クリスチャン・ディオール)、LANCOM(ランコム)、HELENA RUBINSTEIN(ヘレナ・ルビンスタイン)、CLINIQUE(クリニーク ラボラトリーズ)
調査項目(イメージ) おしゃれ、わくわく感がある、高級感がある、安心感がある、カバー力がある、もちが良い、のびが良い、テクスチャー(質感、付け心地)が良い、パッケージが良い、あてはまるものがない
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