- ブランド戦略通信│トライベック・ブランド戦略研究所 - https://japanbrand.jp -

第4回: 事例研究1「ファンケル」

総合1位

図1は横軸には10ポイント(Pt)刻みで顧客サポート指数を取り、縦軸は指数に該当する企業数を取ったヒストグラムである。

全体平均は64.5Ptと、最も多くの企業が集まる71-80Ptよりやや小さい位置にある。

これに対して、これまで見てきたように化粧品通販はサポートサイト評価、コールセンター評価とも平均を上回る位置にあった。総合評価の業種平均も78.4Ptと全体平均より高い位置にある。

ファンケル [1](93.4Pt)はさらにそれよりも高い91-100Ptにある。このゾーンには3社あるが、同社はその中でも最も高いスコアをマークした。

顧客サポート指数10ポイント刻みのヒストグラム、縦軸は該当企業数、横軸はポイント(10ポイント刻み)、ファンケル93.4Pt(1位)、化粧品通販平均78.4Pt、全体平均64.5Pt

【図1】顧客サポート評価指数の分布とファンケルの位置付け(2012年)

多くのサポート利用者がリピート客に

全体を通じてサポート利用後の態度変容として多いのは「この企業への信頼感が増した」だが、全体平均22.9%、化粧品通販平均30.0%に対し、同社は40.0%と全体平均はもちろんのこと業界平均を大きく上回っている。

全体平均では次いで「この企業の商品・サービスを買ってよかったと思った」が多いが、これも全体平均22.7%、業界平均24.9%に対し、同社は35.6%と、全体平均、業界平均いずれもかなり上回っている。

さらに注目すべきは「この企業の商品・サービスをリピートしたいと思った」で、全体平均は14.5%とどちらかといえば小さく目立たない項目だが、同社は34.8%と平均を上回る度合いでは最も大きな項目となっている。再購入意向の顕著な向上は、企業信頼度向上以上に消費者の行動につながるものと考えられ、非常に望ましい効果であると思われる。

サポートサイトでは「説明がわかりやすい」、コールセンターでは「対応が丁寧」の評価が特に高く、丁寧な対応を積み重ねている様子が窺われる。

複数回答、回答者の割合 「この企業への信頼感が増した」ファンケル40.0%、化粧品通販平均30.0%、全体平均22.9% 「この企業や企業の商品・サービスに興味を持った」ファンケル15.6%、化粧品通販平均16.6%、全体平均12.8% 「この企業や企業の商品・サービスに対する理解が深まった」ファンケル25.2%、化粧品通販平均21.7%、全体平均16.0% 「この企業の商品・サービスを買ってよかったと思った」ファンケル35.6%、化粧品通販平均29.9%、全体平均22.7% 「この企業の商品・サービスをリピートしたいと思った」ファンケル34.8%、化粧品通販平均24.9%、全体平均14.5% 「この企業の商品・サービスを誰かに勧めたいと思った」ファンケル8.9%、化粧品通販平均11.1%、全体平均6.7% 「サポートの大切さを感じた」ファンケル23.0%、化粧品通販平均19.0%、全体平均20.9% 「特に印象は変わらなかった」ファンケル20.0%、化粧品通販平均23.8%、全体平均32.1% 「企業の印象が悪くなった」ファンケル4.4%、化粧品通販平均6.3%、全体平均7.8%

【図2】ファンケルのサポートを利用した後のユーザーの態度変容(2012年)