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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

アンケート!100人に聞きました

第2回:テレビとインターネット

「テレビとインターネットの融合」という言葉がニュースなどで度々登場する中、今回はテレビとインターネットの利用の一端を、100人アンケートで見てみたいと思います。「テレビを見ながらインターネット」の経験がある人は100人中89人。「テレビでみた事柄をインターネットで調べた」経験のある人は100人中98人。テレビで知ったことをすぐにインターネットで調べる行動は、すでに特別なことではないようです。

テレビとインターネットの関係

今年に入ってから「テレビとインターネットの融合」という言葉がニュースなどで度々登場しています。しかしながら、その一方で「具体像がわかりにくい」ということも指摘されています。確かに、専門知識のない人にとっては、テレビ番組をインターネットで見ることができる、クイズ番組など双方向の番組ができる、テレビで見た商品をネット通販で買える・・・そのあたりまでは思い描くことができても、その先はよくわからない、というのが正直なところではないでしょうか。 そういった事業の将来像はさておき、私たちのごく身近なところでは、テレビとインターネットはどのような関わり方をしているのか。今回はその一端をご紹介したいと思います。

“ながら”テレビと”ながら”インターネット

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【図1】テレビをみながらインターネット

アンケートで「テレビを見ながらインターネットをすることがあるかどうか(図1)」をたずねたところ、「よくある」人が40%、「どきどきある」という人が36%で、「まったくない」人は11%という結果でした。 回答者の70%以上が”テレビを見ながらインターネット”あるいは”インターネットをしながらテレビ”の「ながら利用」をしているようです。テレビとインターネットのどちらが主でどちらが従なのか、両者は同じ部屋にあるのが当たり前なのかといったことは別の機会に譲りますが、ブロードバンドが普及してきたことにより、この2つは時間を奪い合うライバル関係から、時間を共有する関係になってきていることがうかがえます。

テレビをフォローするインターネット

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【図2】テレビで見たことをインターネットで調べる

もし暇な時間があったら、テレビのチャンネルを変えながらパソコンを立ち上げて、ポータルサイトなどにある最新の検索ワードのランキングを眺めてみてください。タレントの名前、季節のイベント、話題の店や商品、ドラマのタイトル・・検索ワードとテレビの内容が見事に連動していることがよくあります。生活の多様化でテレビは見られなくなっていると言われてから何年も経ちますが、テレビの影響力を改めて感じることができると思います。 アンケートの「テレビを見ながらあるいは見た後に、テレビで見たことをインターネットで調べたことはありますか(図2)」という質問に対しては、「よくある」19%、「ときどきある」73%の人がテレビで見た内容をインターネットで確認したり、さらに詳しい情報を探したりしています。  

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【図3】どのような番組を見てインターネットを利用したか

番組別(図3)ではニュース57%、情報・ワイドショー52%、バラエティー41%の順。日々、目新しい内容が多く登場するため、調べる機会も多くなるのでしょう。 毎日の帰宅が遅くテレビを見られない人の中には、仕事をしながらネットで野球やサッカーの試合経過をチェックし、話題のドラマのあらすじを読み、検索ワードランキングを見て知らない言葉を”勉強”するという、インターネットがテレビの代わりのようになっている人もいるそうです。

何を調べているのか

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【図4】番組を見て調べたこと

「テレビ番組を見て調べたのはどのようなことか(図4)」という質問に対しては「商品・サービスについて」が最も多く(58%)、次いで「番組内容」(55%)、「店・場所について」(44%)、「ニュースや話題、試合などの詳細」(42%)などとなっています。 アンケートに回答いただいたようなネットユーザーにとって、もはやテレビの前ににじり寄って必死にレシピやお店の電話番号をメモしたり、慌ててビデオテープを取り出して録画したりするのは過去の光景のことのようです。テレビは何かを「知る」契機として、インターネットは「知りたいことをより詳しく知る」データベースとして役割を分担し、ほぼ同時に利用されている模様です。

CMを見て調べることも

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【図5】CMを見て調べたこと

番組だけではなくTVCMについても同様に「CMを見て調べたのはどのようなことか(図5)」尋ねてみました。CMを見てネットにアクセスしたことがある人は約70%おり、番組を見た時と同様に「商品・サービスについて」(45%)、「店、場所について」(19%)などが多く挙がっています。以下、時には商品よりも出演者など周辺情報に関心が向いてしまうことも、やはりあるようですが・・・。 このような中で、企業は少なくとも商品・サービスについて「どんなものなのか詳しく」「どこで買えるのか」といった情報を予めWeb上に用意し、”たった今”テレビで商品を知った消費者の即時情報ニーズに応える姿勢が必要でしょう。情報ニーズに対する満足は企業のブランディングの積み重ねのひとつにもなり、反対に「情報がない。がっかり。」という印象を与えてしまうことは、機会の損失となるのではないでしょうか。

注目はこれからも

今回は調査しませんでしたが、インターネットとテレビの利用方法にはインターネットで下調べをしてから面白そうなテレビ番組を見たり、気になる人やモノがテレビに出るのを見逃さないようにネット上で愛好家同士が教え合う、といった情報の流れもあります。 テレビとインターネットは、着実に私たちの生活の中でつながりを持ってきているようです。インターネットのこれからをめぐる注目点は多々ありますが、テレビとの関係もその重要なひとつ。企業の広告やPRのあり方、視聴率データのあり方、Webサイトのあり方など、様々な状況に変化をもたらしていくことになりそうです。 みなさんは、どのようにテレビとインターネットを利用していますか? たくさんの情報が氾濫する世の中、気がついたらテレビとインターネットの”ながら利用”に大事な時間ばかりを取られていることのないように、うまく活用していきたいものです。 ※アンケートの概要:協力会社のモニターに対してインターネット調査を実施。回答者は15〜70歳の男女100名。Q3(図3)以降は「テレビで見たことをインターネットで調べたこと」が「まったくない」2名を除いた98名による回答。

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