ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

実践!ブランド戦略

第139回:コンセプトブランディング

Q 「コンセプトブランディング」とはどのような概念ですか。
A ブランド名やシンボルといった商標化できるもの以外の一般名称によってブランド化することをいいます。

コンセプトブランディングとは、中央大学ビジネススクール(2015年6月現在)の田中洋教授が名付けたブランディングの概念で、ブランド名やシンボル(ロゴマークなど)商標化できるブランド要素ではなく、商標にならないような一般名称を用いてブランド化するようなブランディングのことをいいます。

コンセプトブランディングの典型例としてはサントリーの「ハイボール」が挙げられます。ハイボールという言葉は一般名称で、サントリーの商標ではありません。しかし、同社はハイボールというウィスキーの飲み方を提案することによって、ハイボール=サントリーという関連連想を形成することに成功しました。その結果、長い間低迷していたウィスキー市場の拡大に成功するとともに、同社の売上拡大にも大きく貢献することになりました。

近年では日本上陸時にテレビを始めとする各メディアに大きく取り上げられたブルーボトルコーヒーが注目されます。メディアでは、米国にサードウェーブコーヒーという新しいコーヒー文化の波が起きており、日本にもそれが伝わってきたという文脈で取り上げられました。おそらく、マスメディアとしては、ブルーボトルコーヒーという個別企業の進出というだけでは情報としては取り上げづらかったことでしょう。しかし、海外初の注目トレンドとしてサードウェーブコーヒーは素通りしづらいテーマだったようです。その結果、事例として取り上げられることが多かった同社はこの分野の代表的企業として広く認知されるようになりました。これは、厳密には田中先生の定義とは異なるかも知れませんが、新たな生活提案を伴うコンセプトブランディングの概念を想起させる事例のように思われます。

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