ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

実践!ブランド戦略

第136回:企業ブランドはグローバル統一、商品ブランドはローカル対応

Q ブランドのグローバル統一化とローカル適用の判断基準は?
A ブランド・アイデンティティに関わるものほどグローバル統一性が求められます。

トヨタ自動車のヴィッツという車種は日本国内のブランドで、世界の多くの地域ではヤリスというブランド名で販売されています。

このように、地域によって異なる商品名を採用するということは広く一般的に行われています。

これは、商品名は商品の売れ行きを左右する重要なマーケティング要素であり、ローカルな市場特性の影響を受けやすいからです。このような性質を持つ商品ブランドについては、マーケティング上のメリットを追求し、地域によって最適なものを採用するのは当然のことといえます。

一方、企業には市場環境の地理的差異や時間的変化に関わらず保持すべき普遍的価値があります。これは、当該企業のブランド・アイデンティティのもっとも中心的な部分になります。企業ブランドは地域を超え時間を越えた企業の同一性を象徴する重要な要素です。したがって、企業ブランドは可能な限りグローバル共通を目指すべきであると考えられます。ヴィッツ、ヤリスといった商品ブランドは地域によって異なるが、「トヨタ自動車」という企業ブランドは、地域によって英語表記その他の表記の違いこそあれ、基本的にグローバル統一ブランドです。

ところが、現実には地域によって異なる企業ブランドを使用している例は少なからずあります。理由はさまざまですが、たとえば、これまで本国で使用していた名称を海外にも展開しようとしたが、できなかった場合が挙げられます。このような企業には自社ブランドをグローバルに統一しようという誘引が常に働き、実際、タイミングを見てそうするケースは少なくないようです。

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