ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第116回:日本企業の弱点はブランディング

Q 海外では欧米企業に比べ、日本企業のブランド力が劣っているケースが多いように見えるのはなぜでしょう。
A ブランド戦略の欠如が大きな原因と考えられます。

近年、日本企業の海外、とりわけ中国を始めとするアジア各国における事業強化の動きが目立つようになっています。

しかし、多くの場合、ブランド構築においては欧米企業の後塵を拝することが少なくないようです。

なぜこのようなことが起こるのかを考えるとき、彼我の企業が進出するときの行動様式が一つのヒントになります

欧米企業によく見られるパターンでは、進出後のシナリオを描く中で、最初の段階はブランド構築の段階と位置付け、その後に利益の刈り取りの段階を置くということが行われます。当然、初期段階は赤字となりますが、その後の利益を最大化する上で必要な投資と考えます。また、進出はスピード感を伴うものとなります。

これに対し、日本企業の多くは、進出当初より収支が釣り合うことを目標に事業展開します。当然、事業展開の速度は緩慢なものとなります。その結果、ブランド構築において欧米企業が大きく先行し、それを日本企業が追いかけるという展開がしばしば見られます。

要するに、欧米企業はブランド構築を含めたシナリオが非常に戦略的なのです。そしてそれは日本企業の多くが苦手とする分野なのです。

ところが、それでも日本企業にとってはアジア太平洋地域の売上の伸び率は非常に高いものに見えます。実際には現地では二番手、下手をすると負け組みになる可能性をはらんでいるにも関わらず、です。

このような事態が生じやすいのは消費財、生じにくいのはブランド価値のウエイトが相対的に低い産業材です。逆説的ですが、電子部品や素材産業が海外でも高い競争力を保っている一因がここにあると考えられます。

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