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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第101回 国民性による回答パターンの違い

Q 消費者調査によるブランド評価を行ったところ、日本が一番低いという結果が出ましたが。
A 国民性による回答パターンの違いを考慮すべきです。

グローバルブランド調査において、あるブランドに対する好感度を5段階や7段階評価などで行うことがあります。

回答形式は「とても好き」、「まあ好き」、「どちらともいえない」、「やや嫌い」、「とても嫌い」などの言葉を用いることもあれば、最大と最小の数字を示してその間の数字を選ばせる形式のこともあります。

日本人の回答の特徴的な傾向として、国民性を反映して中間的な意味合いの選択肢に回答が集まるということがあります。

たとえば、上の5段階に評価に当てたワーディングですと、「まあ好き」や「どちらともいえない」というような中庸を行く選択肢が好んで選ばれる傾向があります。

これに対して、米国では好きなら好きとはっきりすべきということか、「とても好き」や「とても嫌い」など端の方の選択肢に回答が集まる傾向が強いといえます。また、「どちらともいえない」を選ぶ人は日本のようには多くありません。両端が増えるといっても大抵の場合、下のほう(嫌いな方の選択肢)を選ぶ人は少ないので、日本より当該ブランドに対する好感度は日本より高いという結果が得られます。

同様の傾向は中国でも見られ、さらに社会的風潮もあってか、購買意欲を尋ねるような質問では、「ぜひ買いたい」、「すぐに買いたい」などととても積極的な回答をする人が非常に多い傾向にあります。

このような回答の癖を知らないまま国別比較を行うと日本が最も低評価と判断してしまうことになりますが、実は必ずしもそうでないことは少なくありません。

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