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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Webブランディングのエッセンス

第3回:BtoBだからこそWebサイトを活用しよう

BtoB企業にWebサイトは必要か?

一般に、注目度が高いサイトはアクセスが多いといえます。企業サイトの場合、どうしてもBtoC企業の方が多くの人の注目が集まり、アクセスも多くなる傾向にあります。Webサイトに関する各種のランキングでは、上位にあがるのはポータルサイトやショッピングサイト、ニュースサイトであり、企業サイトではBtoC企業のサイトが入ることはあっても、BtoB企業のサイトが入ることはあまりありません。(マイクロソフトはちょっと違いますが。)

BtoB企業側も、自社サイトをランキングで見かける機会がなく、メディアなどで取り上げられることも少ないとなれば、いきおい会社の中での注目度は小さくなります。その結果、サイトに配分される予算とスタッフも限られたものとなる傾向は否めない事実だと思います。

しかし、実はBtoBサイトのビジネスへの貢献度は決して低くないのです。弊社の実施した「BtoBサイト調査」(詳しくは「BtoBサイト調査へ)では、企業ごとにサイト利用率(ある会社の製品を購入した人のうち、どれだけの人がWebサイトを利用して情報収集をしたか)という指標を調べています。それによると、BtoB企業の方が、BtoC企業よりも一般的にサイト利用率は高い傾向にあり、しかも上昇傾向にあります。さらに、サイト利用率が高いのは何もIT関連企業に限ったことではありません。一般的には古い体質で捉えられている業界でも、サイト利用率は確実にアップしています。

購買プロセスの中で重要な役割をはたすWebサイト

「AIDMA」から「AISAS」へ

【図1】「AIDMA」から「AISAS」へ

このような状況の背景としては、潜在ユーザーの行動パターンの変化があげられます。つまり、インターネットの普及により、消費者行動様式が「AIDMA」から「AISAS」に変化したとよく言われます。BtoC企業でWebサイトは、あくまで多様な情報源の一つと位置付けられていますが、BtoB企業ではその企業に問い合わせをする前にあらかじめWebサイトで下調べをしておくというように、購入プロセスの一つに組み込まれています。

それにも関わらず、Webサイトに対する評価がなかなか高まらない原因として、先に述べたようなアクセス数に関わる問題のほか、BtoB商品ではユーザーがサイト上で購入などの直接的な行動を取ることが少なく、潜在ユーザーの問い合わせ行為があたかもサイトと無関係に独立して行われているように見えることが挙げられます。

また、購入の意思決定には何人もの人が、時には組織を超えて関与していることも問題を複雑にしています。さらに、企業の上層部の方が、旧来の足で稼いだ営業の成功体験を持ち、しかも現在Webサイトをあまり使わない、という場合には一層Webサイトの重要性に対する認識が不足しがちとなります。

BtoB企業にとって重要なことは、Webサイトの貢献を改めて認識した上で、十分な投資を行うことでしょう。その上で、Webサイトから営業への導線をしっかりと作ることが重要となります。特に、BtoBサイトでは社名で検索してトップページから訪問するユーザーが多いので、目的の情報をスムーズに見つけられるよう分かりやすいナビゲーションを用意することが重要です。

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